2018年3月25日日曜日

ネナシカズラ

ネナシカズラ Cuscuta japonica Choisy
(ヒルガオ科 CONVOLVULACEAE)

 相変わらず季節外れの記事・・・

 野山を散策していると、黄色い紐のようなものに巻き付かれた植物を目にすることがある。

 このヒモ、見慣れないとギョッとする。何か、病気なのか?あるいは誰かが変なゴミでも捨てたのか?と。



 でも、よくみてみると、花が咲いたり、実がなったりしている。そう、このヒモは植物で、ネナシカズラという寄生植物。他の植物を覆っているように見えるけれど、ただ覆っているのではなく、その植物にとりつき栄養をもらう、寄生という生活の仕方をしている。
 どこで寄生しているのかというと、そのヒモのようなツルでしているそうだ。ツルの一部が他の植物に触れると、触れた部分から相手の植物に取り付き栄養をもらうらしい。



 申し訳ないが寄生していると思われる部分をちょっとむしってみた。そこは相手の植物にしっかりと一体化したようにひっついており、意外にもろく、ぽきぽきと折れてしまう。そして、剥がした面には吸盤のような跡があり、同じような傷が相手の植物にも残っている。

 ネナシカズラの名は、根がない(根無し)ツル植物(かずら)という意味のようだが、本当に根がないのか。
 ちょっと調べてみたが、本当に無いらしい。ネナシカズラは、芽生えてからすぐ寄生相手を探し、ちょうど良い寄生相手を見つけて寄生すると根はなくなってしまうそうだ。(そのことを説明した分かりやすいページがあったのだが、どこだか分からなくなってしまった。メモしとかんといかんね)

 寄生しようとヒモ状だろうと、種子植物なので花が咲く。この花をできるだけ近づいて撮影してみた。今時のコンデジはすごいね。って思ってたら、新しいのが出てるのね。

 分類はヒルガオ科にされていて、馴染みのある植物で言えば、サガオやサツマイモなんかの仲間で、なるほど、アサガオなどと同じように花びらが根本でつながって筒になっているところなんかは似ている。
 この筒の部分が丸っこく膨らんでいたり、花びらの先が5つに分かれていてラッパ型ではないので、アサガオとはだいぶイメージが違う。雄しべはも花びらのずいぶん上の部分から出ているようす。同じアサガオ科でも、違う部分がたくさんある。

 寄生される側からは迷惑千万なのかもしれないけれど、真っ白で綺麗な花だ。