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2015年4月25日土曜日

アカメガシワ

アカメガシワ Mallotus japonicus (L.f.) Müll.Arg.
(トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE)

 つい先日紹介したアカメガシワ。アリを呼んで体を守っているというおはなしの続編です。

●アカメガシワの対捕食者構造に関する研究
 (修士論文の要旨のようです)
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/kohshima/Study/abstract/iwami.html

 前回も紹介した上記の文献は、アリを寄せる構造として「花外密腺」と「粒状分泌物」をあげている。そこで、実体顕微鏡でこれらを探してみた。

 まずは花外密腺。普通は蜜は花から出るので、花以外のところから蜜を出す腺をこう呼ぶ。アリが集っていたところは、葉の根元と葉の縁(下の絵、前回のもの)。それぞれの辺りを見てみた。
アリが来ているのは葉の根元と縁の部分
 それぞれの部分を見てみると、お、それらしいものが。ちょっと潤っている感じ。葉の根元から少し横に出た細い脈の上にあるみたい。
葉の根元の花外密腺
 お次は葉の縁。こちらもあるある。葉の根元よりもちょっと小さくて、少しくぼんでいるようだ。こちらも葉脈の先端付近に位置している。
葉の縁の花外密腺。ちょっと小さめ。全くの縁というわけではなく、少し内側にある。
 これらの花外密腺から蜜を出して、アリを寄せているのか。

 次は「粒状分泌物」。若い葉の脈から分泌され、直径0.6mm程度、半透明の袋状でアリの好む脂質の仲間がふくまれている、ということだが。う〜ん見つからない。唯一それかな?というのが、さっきの葉の根元の花外密腺のそばについていた。いつのまにか落ちてしまっていて、写真を取り直すことができなかった。また探そう。
粒状分泌物か?

 もののついでなので、葉の裏の写真を撮ってみた。星空の様でなかなかに綺麗。
葉の裏の拡大。星状毛と腺点がある。
 放射状に広がった針のようなものは星状毛。一本の毛が先の方で枝分かれして四方八方に広がっている。この葉はある程度成長しているので、この透明がかった毛があるが、もっと若い赤い葉では、赤い毛が生えている。
 もう一つ、小さなビーズのようなものは腺点。こちらはアリを寄せるためではなく、捕食者を撃退するためのもののようである。アカメガシワの果皮(実の皮)は毒をもっていて、その毒は果皮の表面の腺点に含まれているそうだ。この葉の腺点も、同じように毒を含み捕食者からの防衛を担っている可能性があるという。

 なるほどなるほど。





2015年4月20日月曜日

アカメガシワ

アカメガシワ Mallotus japonicus (L.f.) Müll.Arg.
(トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE)

 若葉の季節、いろいろな樹木が芽吹き始めた。身近な環境での野生の樹木でよく目につくのがアカメガシワ。
アカメガシワの新芽
赤い色の新芽をのばす。この赤い色、実は葉の表面にたくさん生えた「毛」の色。葉が成長してくると、だんだんと赤い毛は減り、葉が本来持っている緑色になる。和名の「アカメガシワ」のアカメはこの赤い色の新芽「赤芽」からきているらしい。
 さて、この写真、赤い新芽の下のやや大きく育っている葉を見てみると、葉の付け根の部分に何やらアリがいる。他の葉にも確かにいる。集っているようだ。
アリが集るアカメガシワの葉。
こちらの葉には、葉の付け根だけではなく、葉の縁にまで。
葉の付け根と葉縁の腺に集るアリ(シリアゲアリの仲間か?)

 調べてみると、アカメガシワは葉の付け根や葉の縁近くに、アリが好む蜜を出す腺があってアリを集めているらしい。なぜか・・・この蜜を出す腺、そして最初に取りあげた赤い毛はいずれも、アカメガシワの防御の工夫らしい。
 芽から伸びはじめのまだ若い時期は、びっしりと生えた毛でガードする。密生した毛でガードするのかと思いきや、「赤い色」が大事な要素らしい。赤い色は昆虫の目には見えにくい色で、赤い色をしていると昆虫の眼には目立たないらしい。
 葉がやや大きくなって赤い毛が落ちる頃になると、蜜腺から出る蜜でアリを集めて、葉に集まる害虫を追い払ってもらう。この他にもいくつか策があるらしい。そこまでして守るとは、相当おいしいのだろうか・・・

(参考)
<アカメガシワの防御について>
●アカメガシワの対捕食者構造に関する研究
 (修士論文の要旨のようです)
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/kohshima/Study/abstract/iwami.html

●複数の防御形質を用いるアカメガシワ(トウダイグサ科)の資源配分戦略
 (PDFがひらきます。学位論文の要旨です)
http://www.kagoshima-u.ac.jp/about/renken731.pdf

<昆虫の視覚について>
●人間の目・昆虫の目・機会の目 自然界における昆虫と植物の共進化
 (PDFがひらきます。京都大学の講座?のスライドのようです)
http://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/frp7an/010-001/pdf/8.pdf

●昆虫の視覚世界をたどる —チョウと人間、目がいいのはどちら?—
 (PDFがひらきます。生命健康科学研究所紀要の記事です。)
http://www3.chubu.ac.jp/documents/research_life_health/content/6141/6141_d7db16a6c91c8b63e3b7172f76231633.pdf


2014年9月1日月曜日

アカメガシワ

アカメガシワ Mallotus japonicus (L.f.) Müll.Arg.
(トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE)

 先日道端のアカメガシワの実が熟して、黒いタネをのぞかせていた。それを見てアカメガシワの雄と雌を紹介しようと写真を準備していたのを思い出した。シーズンのがしちゃったけど、来年確認して下さいね。

雄株の花序。花粉を集めに蜂がよってきている。
 アカメガシワはかなり身近な植物で、図鑑なんかには「山野に普通にある」と書いてあるが、熊本ではそれこそ道端や空き地でも見れる。名前は「赤芽がしわ」で、新芽が赤い事からきている。「ガシワ」は、食べ物を載せる葉っぱをしめす「かしわ」が濁ったのだろう。昔はこの丸く大きな葉に食べ物を載せたりしたのだろうか。

 小学校の教材で出てくるアブラナの花では、一つの花の中に雄しべと雌しべがあり、植物一本一本に性別あるとは習わないようだ。しかし、植物の性は多様で、雄しべと雌しべがそろった花(両性花)をつける種類もあれば、雄しべだけあるいは雌しべだけの花(単性花)をつけるものもある。また、一本の植物にオスの単性花(雄花)とメスの単性花(雌花)の両方をつけるもの(雌雄同株)もあれば、片方しかつけないもの(雌雄異株)もある。
 さて、このアカメガシワは、木一本毎に雄花だけをつけるオスの木と、雌花だけをつけるメスの木がある(つまり雌雄異株)。一枚目の写真は、オスの木の枝先についた雄花の集まり。蜂がよってきている事から虫に花粉を運んでもらう虫媒花のようだが、あんまり派手な装飾はない。次はメスの花。

アカメガシワの雌花序

こちらも派手な装飾はないが、なんだか目立つなぁ。ところどころに見える赤いものが雌しべ。随分まんまるだけど、これはもう実が随分と成熟してきていて、花としては終わりかけだから。

 木の花は、目立たないものもあるけど、よく見てみるといろんな形で面白い。