2018年8月21日火曜日

モウセンゴケの動き

モウセンゴケ Drosera rotundifolia L.
(モウセンゴケ科 DROSERACEAE)

食虫植物の観察会のために読んだ本の一つに、モウセンゴケが獲物を捕らえる実験が載っているものがあった。


本の内容に付いては、こっちのブログに簡単に書いたので、そちらもどうぞ。
最近読んだ本「ハエトリくんとふしぎな食虫植物のせかい」

で、実際に、観察会とその下準備でやってみた。やり方はぜひ、本を見て確認して。

1.餌をおいた。

2.約1時間後

おお、巻き込み始めている!!

参考にした本(ハエトリくんとふしぎな食虫植物のせかい)では、葉の長いモウセンゴケ(園芸店等で売られているもの)を使って、約3時間観察していたようだ。こちらのモウセンゴケでは約1時間でやや巻き込みが見られたが、やはり3時間は見ておきたいというのが正直なところだった。



2018年8月8日水曜日

オトシブミ科の誰か。親は誰?

オトシブミ科の甲虫 ATTELABIDAE sp.

 春、野山を歩いていたら、遊歩道沿いのビロードイチゴに違和感。葉に何か付いてる。


近寄ってみて見ると・・・あ、オトシブミ(落とし文)だ。虫が葉を巻いて中に卵を仕込んだものだが、それを文(ふみ:手紙)にあてるとは洒落たネーミングセンスだ!!


ただねぇ、種類が分からなかった。う〜ん親は誰だ。

ボロボロノキの花

ボロボロノキ Schoepfia jasminodora Siebold et Zucc.
(ボロボロノキ科 SCHOEPFIACEAE)

 春の観察会で、ボロボロノキの花を見つけた。
 しっかし、なんて名前だろうね。知り合いが教えてくれたこの木の覚え方に、「枝がポキポキと折れやすい木、ポキポキ→ボキボキ→ボロボロ」というのがあった。確かに、この木の枝は折れやすい。この木には悪いが、ポキポキと折れる感触は、実は心地よくもある(木からしたら本当に迷惑だが)。

 このボロボロノキの花が咲いていた。名前に反して、乳白色の可憐な釣り鐘型の花が連なって垂れ下がっていた。


 よく見ると、花冠の先は緑色を帯びており、クルッと反り返っている。その様もかわいらしい。

 この日は春の穏やかな気候で小さな花がたくさん見られたので、ルーペで花の構造を見てみる、というのを繰り返しやった。たくさんの種類の花が見られたので、いろいろな花の作りが見れて、みんな楽しそうだった。

 ボロボロノキの花を正面からのぞいて見ると、雄しべは、花のそこから出ているのではなく、花冠のかなり上の部分に付いているような感じであることが分かる。その上、毛もある。何だこれ?とみんなおもしろがってルーペをのぞいていた。
 ボロボロノキといえばベニツチカメムシ、あの山中で集団を作る赤と黒の派手な 色をしたカメムシと関係があるそうだ。ベニツチカメムシは育児をするらしい。巣を作り、卵を産み、幼虫が孵ったらボロボロノキの実を餌として運んで与えるそうだ。つまり、今のところ分かっている範囲では、ベニツチカメムシはボロボロノキただ1種を食草とするらしい。
 ところが、ボロボロノキの日本での分布域は九州から沖縄、ベニツチカメムシの分布域は資料によっては本州から沖縄となっている。え?本州や四国のベニツチカメムシの幼虫は何食べてるの!?

2018年5月29日火曜日

ちょっとかわった形のシダ

コヒロハハナヤスリ Ophioglossum petiolatum Hook.
(ハナヤスリ科 OPHIOGLOSSACEAE)

 毎年、庭に数本だけ生えてくるシダを楽しみにしている。

 おそらくコヒロハハナヤスリだと思う。
 多くの人が抱く「シダ」のイメージからは、ちょっと離れた形をしている。葉は切れ込みがなくやや長いたまご型、胞子嚢はふつうの葉の裏につくのではなく、胞子を作るためだけの葉がまん中にひょろっと伸びる。

 それほど希少というわけではないが、自治体によってはレッドデータに選定されている。できれば増やしたいと思うが、庭をどのような状態にすれば良いのやら・・・






2018年5月28日月曜日

手のひら型のシダ:ナチシダ

ナチシダ Pteris wallichiana J.Agardh
(イノモトソウ科 PTERIDACEAE)

 前回のヤツデに続き、手のひら型の葉をもつ植物、ナチシダ。手のひら型といっても、ヤツデより繊細な分かれ方をしている。
 まず、大きく5つに別れ、別れたそれぞれにはさらに細かく切れ込みが入り、レース編みの様になっている。とてもカッコいいシダだ。

 単純にカッコいい。

 ナチシダは、こちら(九州)では、あるところにはあるので普通に思っていたが、実は温かい地方のシダらしい。北限は静岡県で、その自生地は天然記念物に指定されている。

 ナチシダ自生北限地|文化遺産オンライン

 ただ、この場所のナチシダは保護政策が行われているにもかかわらず、減少しているらしい(2016年の記事、下記リンク)。自然保護って難しいんだなぁと、素直に感じてしまう記事だ。

 ジュンサイは増えすぎ!ナチシダは激減?天然記念物保護の皮肉な結果。|森本毅郎 スタンバイ!TBSラジオ(2016.7.19 火曜日11:30)

 じゃあ、増えれば良いのかというと、そうでもなく。実は、ナチシダは日本に野生する在来の草食大形哺乳類ニホンジカがあまり好まない植物といわれている。つまり、ナチシダが増えてきた、目立ってきたという環境は、ニホンジカが増えているのかもしれない。近年、ニホンジカが増えて問題になってきている。

 シカが日本の自然を食べつくす !?|環境省(pdfが開きます。)
 野生鳥獣による森林被害|林野庁

 格好よくてとても好きな植物の一つだけど、増えてきたら要注意なんだな・・・





2018年5月26日土曜日

ヤツデの花

ヤツデ Fatsia japonica (Thunb.) Decne. et Planch.
(ウコギ科 ARALIACEAE)

 冬にあった観察会で、花穂が出たヤツデを見ることができた。今はもう春なので、実が大きく成長している頃かもしれない。子どもの頃、このヤツデの実を球につかう空気でっぽうを細い竹で作ってくれたことがある。しばらく使っていたら壊れてしまったので、もう一度作ってと頼んだが、「自分で作れ」といって作ってくれなかった。いい思い出なんだか、悪い思い出なんだか…


 この写真ではうまく写っていないが、ヤツデの葉は手のひら状に大きく切れ込んでいる。その形からか「てんぐのはうちわ」という別名があるらしい。天狗の羽でできているといわれる天狗がもつ羽団扇に形が似ているかららしい。googleの画像検索で「天狗の羽団扇」を検索すると、かなりの割合で植物の画像が混じっているのは面白い。多くはヤツデだが、ハウチワカエデ、コハウチワカエデも混じっている。

 「天狗の羽団扇」google画像検索結果

 「天狗の羽団扇」の別名は、単に形が似ていることからきているのだろうなぁと思う。というのも、ヤツデと天狗の関わりは希薄な気がするから。個人的には、天狗は山の神様、あるいは妖怪だったりと、奥深い山に存在するイメージがある。一方、ヤツデが好む生育環境は、温かい地方の海岸近くの林であり、両者の存在が重なる範囲がすごく狭い気がするから。

 海岸近くの林に生育するヤツデだけど、この写真のヤツデは今の海岸線から約9km離れた山中に生えていたもの。なんとなく「海岸近く」とは言いがたい。しかし、この場所の近くには縄文時代の貝塚があり、縄文時代には海岸線が陸側に大きく入り込んでいた(縄文海進)ことが分かっている。となると、この場所も立派な「海岸近くの林」だった可能性があるわけだ。このヤツデは縄文時代の海岸線の名残かも、と思うと、すこし感慨深くなった。





2018年5月25日金曜日

今年も見れたエビネ

エビネ Calanthe discolor Lindl.
(ラン科 ORCHIDACEAE)

 自分が子どもの頃に、「エビネブーム」があったと記憶している。植木や苗を売る店やコーナーではエビネが売られ、「山採り」とかいう言葉が飛び交っていたような・・・それと同時に、希少とか絶滅危惧とか減っているという言葉も聞いていた。なので、子どもながらに、とても少なくなっている貴重な植物だと感じていた。
 その子どもの頃から、うん十年程たっている今でも、エビネは希少な植物のままらしい。環境省のカテゴリで準絶滅危惧(NT)、多く(というかほとんどの)都道府県で絶滅危惧I類、絶滅危惧II類、準絶滅危惧などに選定されている。

 RDB図鑑 エビネ|生き物ログ(環境省) 

 上記のリンクの解説によると、やはり乱獲が減少の大きな原因の一つのようだが、一方で増殖技術も進んできているようで、状況が良くなればいいな、という感じ。

 そんなエビネが生育しているところに数年前でくわした。あまりにうれしくて、それからは毎年一回、花を見に出かけている。今年も見ることができた。


 例年なら、道から逸れて林に入り、咲いている株を探して回るのだが、今年は道端に咲いていた。ありがたい。


 おお、なんか萼(がく)の赤みが強いな。この萼の部分の色に変異があることが、園芸的な魅力の源になっているらしい。

 いつまでもここで生き続けて欲しいものです。
 

2018年5月24日木曜日

ネズミムギの穂

ネズミムギ  Lolium multiflorum Lam.
(イネ科 POACEAE)

 少し前に、twitterで「観察スケッチ」というものが流れてきた。
 とにかく、よく見て、よく観察して、ものの形や構造、動きや機能を理解し、スケッチするというもので、デザイン関係の訓練の一つとして紹介されていた。

 検索するとすごい力作がゾロゾロと引っかかってくる。
「観察スケッチ」でのGoogle検索結果

 自分も挑戦してみようと辺りを探して見つけたイネ科植物・・・ネズミムギ。道端にいっぱい生えていた。


 真っすぐ伸びた茎に、小穂(花の集り)が規則的に左右交互についている。小穂から出ている、紫の糸くずのようなものは雄しべの先の葯(花粉の入った袋)。今まさに開花中、というタイミングだったよう。

 牧草に使われるヨーロッパ原産の植物らしいのだが、日本中どこでも生えていて、広く広がる外来生物ともいえる。で、どんな性質があるのかな?どんな研究がされているのかな?としらべてみたら、畑の雑草としての研究がずらずら。
 えー、困ったちゃん扱いなのかぁ、こんなにカッコいいのに・・・

 さて、このネズミムギの観察スケッチはというと、要修行という感じ。




2018年5月16日水曜日

初めて見たコンニャクの花

コンニャク Amorphophallus konjac K.Koch
(サトイモ科 ARACEAE)

 一度コンニャクの花見てみたいと思いつつもなかなかみる機会がなかった。コンニャク畑で見れるのかな?時々山の中に(おそらく畑から逃げ出して)自生しているので時期を合わせれば見れるのかな?などと思っていたのだが、そうはうまくいかないもので・・・

 ところが先日、誘われてキンランを見に行ったとき、訪れた農家さんの庭先にコンニャクの花が!!!



でけー、高さが腰くらいまであったので、1mくらいあるんじゃね?何本もあるよ!



 まん中に花穂があって、そのまわりを大きく発達した葉:仏炎苞(ぶつえんほう)がとりまく姿は、サトイモ科植物の花の基本の形だが、これまで見たことのあるテンナンショウ属の花とは存在感が違うなぁ。

 ああ、良かった。







2018年5月15日火曜日

キンラン、このまま消えゆくのか。

キンラン Cephalanthera falcata (Thunb.) Blume
(ラン科 ORCHIDACEAE)

 先日お誘い頂いて、キンランを見に行った。とても綺麗で、美しかった。


ただ、寂しいかな。一株だけだった。多いところにはもっとあるのだが・・・



 この場所でキンランが少ないのは実は理由があって、気づく人は上の写真で気づいてしまうのだけれども。ここはたけのこ掘り用の竹林で、キンランが本来が生えるような環境ではない。キンランはブナ科樹木からなる雑木林に生育する植物で、ブナ科の樹木の根に外生菌根を作って共生するイボタケ科やベニタケ科などの菌類に頼って生活しているそうだ。
 外見は緑色をしていて普通の植物のようだが、かなり菌類に依存しているらしく、植え替えたり、鉢あげして維持するのはとても難しい。菌がいないと栄養が足りず、いずれ枯れてしまうらしい。そのため、自然保護のための移植や増殖の研究も盛んに行われている。
 竹林の持ち主のお話では、この竹林も以前は雑木林で、子どもの頃は仏さん花として摘むほどたくさん生育していたらしいが、竹林に変わり、年が経つに連れてだんだんとキンランも減ってきたそうだ。
 竹林の中にはコナラやクヌギ、クリがわずかに残されていて、そのお陰でこのキンランも生き残っていたのだろうなぁ。

 さて、キンランを見ていて、以前「ランの花は上下逆さに咲く」と聞いたことを思い出したので、近寄って花の柄を良く見てみた。

 確かにどの花の柄もねじれて、花が180°くらい回転しているようだ。なんか都合がいいんだろうなぁ。


2018年4月30日月曜日

クスノキの紅葉

クスノキ  Cinnamomum camphora (L.) J.Presl
(クスノキ科 LAURACEAE)

 一気に春めいてきたら、クスノキが紅葉をし始めた。

 真っ赤に染まった葉が、濃い緑の葉と黄緑の新緑と混じり合い、ある種、独特な紅葉風景となる。
 
 クスノキは、冬のあいだも葉をつけている常緑樹。常緑樹といっても一度作った葉をずーっとつけたまんまなのではない。クスノキを代表とする日本で見られる常緑樹の多くは、落葉樹と同じように大体一年で古い葉を落とし、新しい葉と入れ替える。ただし、落葉樹が秋に葉を落とし、冬のあいだは葉がない状態で過ごすのに対し、常緑樹は冬の間も葉をつけたまま光合成をして生活し、新しい葉が出る春に古い葉を落とす。

 このクスノキの紅葉を押し葉にしてとっておこうとしたが、感想が進むに連れて色あせて茶色になってしまった。どうしたら色が残せるのだろう。





花も秋、果実も秋のドングリ、シリブカガシ

シリブカガシ Lithocarpus glaber (Thunb.) Nakai
(ブナ科 FAGACEAE)

 秋の観察会で常緑樹の梢で虫が飛び回っているのに気づいた。

 花が咲いている。枝の先から細い花穂が何本も出ている。見たところ目立った花びら等はないが、盛んに羽音がしていて、花穂にとまるのも見られた。匂いで呼び寄せているんだろうか。

 この樹木はシリブカガシの木。秋にはころっとしたドングリがたくさん実る。それも結構たくさん、ザラザラという感じに。
 

 ドングリ一つひとつでバラバラに落ちているのも見かけるが、シリブカガシの場合は下の写真のように穂についたままの状態で落ちているのもよく見かける。


 ドングリの殻斗(一般にはドングリの帽子とか袴とか言われる部分)をはがしてドングリのお尻を見てみるとこんな感じ。


 尻が深くくぼんでいるような形をしている。シリブカガシの名は、このドングリの形に由来するものらしい。

 せっかくなので花を観察したかったが、なかなか手に届くところに咲いている枝がない。ようやく見つけたが、うまく写真が撮れていない。しまった。
 これは雄花のようだ。花は密についていて、細い糸状の雄しべがちろちろと出ている。糸の先は小さく丸く膨らんでいて、これが花粉を作る葯(やく)のようだ。

 こちらは雌花。雄花よりも間隔が広く、花の中央からちろっと雌しべが見えている。これがこのあと成長して、コロコロのドングリになるのだなぁ。

 植物の果実の生長の観察は、開花期と結実期の間が空いていると説明しにくくなるので、どうしても草本の果実で説明することが多くなる。このシリブカガシは、花は秋、実も秋、つまり秋に開花と結実が同時に見られる種類なので、誰でも知っているドングリという植物で花と実を観察できるいい例だなと思う。




 





2018年4月2日月曜日

外来のセンダングサ

コセンダングサの仲間 Bidens pilosa L. の仲間
(キク科 ASTERACEAE)

 春が訪れ、桜も散りつつあるこの時期に、去年の写真で記事をアップするという・・・

 身近なひっつき虫(動物の毛や人の衣服について運ばれる果実やタネ)の代表的なものの一つ、センダングサの仲間。細かく枝分かれした葉が、樹木のセンダンMelia azedarach L.(センダン科)の葉に似ていることからこの名がついているらしい。
 自分が子どもの頃はアメリカセンダングサBidens frondosa L.という外来の種類をよく見かけた気がするが、最近は違う種類の外来のセンダングサを見かけることが多くなった気がする。それがコセンダングサの仲間で、平べったく二本のトゲがある果実をつくるアメリカセンダングサに対して、細長い棒状でトゲが2〜3本ほどある果実をつける。

 この仲間、花(頭花)の形にいろいろなものがあるらしい。キク科の花序(花のあつまり)は、花が茎の先に丸くあつまるので、頭状花序(頭のような形の花序)と呼ばれる。集っている花はみなおなじ形ではない。ヒマワリやコスモスの花のように、花序の周囲にある花は花びらが大きく伸び、花序の内側の花では花びらが伸びないことが多い。(一方、タンポポの仲間では、全ての花で花びらが伸びる)
 コセンダングサの仲間の花では、花序の周囲の花の花弁は白色、まん中付近の花の花弁は黄色をしている。周辺の花の白い花びらの伸び方に、いろいろ違いがあるようだ。

1.コセンダングサ Bidens pilosa L. var. pilosa
 花序の周囲の花でも、花びらは伸びない。筒状の白い花弁が見える。

2.コシロノセンダングサ Bidens pilosa L. var. minor (Blume) Sherff
 花序の周囲の花の白い花びらが、大きく丸い形に伸びる。白い花びらの大きさは、花序中央の黄色い部分とほぼおなじくらいの大きさ。

3.オオバナノセンダングサ Bidens pilosa L. var. radiata Sch. Bip.
 花序の周囲の花の白い花びらが、コシロノセンダングサよりもさらに大きくなる。花序の黄色い部分の二倍かそれ以上にもなる。


 
 

2018年3月25日日曜日

ネナシカズラ

ネナシカズラ Cuscuta japonica Choisy
(ヒルガオ科 CONVOLVULACEAE)

 相変わらず季節外れの記事・・・

 野山を散策していると、黄色い紐のようなものに巻き付かれた植物を目にすることがある。

 このヒモ、見慣れないとギョッとする。何か、病気なのか?あるいは誰かが変なゴミでも捨てたのか?と。



 でも、よくみてみると、花が咲いたり、実がなったりしている。そう、このヒモは植物で、ネナシカズラという寄生植物。他の植物を覆っているように見えるけれど、ただ覆っているのではなく、その植物にとりつき栄養をもらう、寄生という生活の仕方をしている。
 どこで寄生しているのかというと、そのヒモのようなツルでしているそうだ。ツルの一部が他の植物に触れると、触れた部分から相手の植物に取り付き栄養をもらうらしい。



 申し訳ないが寄生していると思われる部分をちょっとむしってみた。そこは相手の植物にしっかりと一体化したようにひっついており、意外にもろく、ぽきぽきと折れてしまう。そして、剥がした面には吸盤のような跡があり、同じような傷が相手の植物にも残っている。

 ネナシカズラの名は、根がない(根無し)ツル植物(かずら)という意味のようだが、本当に根がないのか。
 ちょっと調べてみたが、本当に無いらしい。ネナシカズラは、芽生えてからすぐ寄生相手を探し、ちょうど良い寄生相手を見つけて寄生すると根はなくなってしまうそうだ。(そのことを説明した分かりやすいページがあったのだが、どこだか分からなくなってしまった。メモしとかんといかんね)

 寄生しようとヒモ状だろうと、種子植物なので花が咲く。この花をできるだけ近づいて撮影してみた。今時のコンデジはすごいね。って思ってたら、新しいのが出てるのね。

 分類はヒルガオ科にされていて、馴染みのある植物で言えば、サガオやサツマイモなんかの仲間で、なるほど、アサガオなどと同じように花びらが根本でつながって筒になっているところなんかは似ている。
 この筒の部分が丸っこく膨らんでいたり、花びらの先が5つに分かれていてラッパ型ではないので、アサガオとはだいぶイメージが違う。雄しべはも花びらのずいぶん上の部分から出ているようす。同じアサガオ科でも、違う部分がたくさんある。

 寄生される側からは迷惑千万なのかもしれないけれど、真っ白で綺麗な花だ。
 

 




2018年2月28日水曜日

ハンゲショウの葉にとまるリュウキュウベニイトトンボ

リュウキュウベニイトトンボ Ceriagrion auranticm ryukyuanum Asahina, 1967
(イトトンボ科 COENAGRIONODAE)



 昨年の夏、溜池のほとりのハンゲショウに何種類もの昆虫類が集ってきているのに気がついた。写真のイトトンボはハンゲショウのまわりにいた昆虫の一つ。
 昆虫の種類はよく知らないのだが、体調は3cmほどなのでとても大きく感じるイトトンボで、図鑑との絵合わせではどうやらリュウキュウベニイトトンボという種類らしい。名前の通り体色が紅色のイトトンボであるが、それにしてもなんて明るい朱色。紅色というより朱色という方が近い。目(複眼)が緑色である事が、近縁種ベニイトトンボとの区別点になるようだ。リュウキュウ(琉球)の名が示す通り南方の種で、分布は九州の南部より南の地域に生育しているらしい。
 このリュウキュウベニイトトンボは、なぜハンゲショウの近くにいるのか。トンボの仲間は基本的には肉食なので、ハンゲショウの蜜や花粉をもらいにきたとは思えない。となると、ハンゲショウを訪れる昆虫をねらう待ち伏せか、あるいは単に一休みなのかもしれない。
 せっかくなのでじっくり観察すればよかった。写真だけ撮って安心してしまった。



2018年2月26日月曜日

ナンバンギセルが咲いていた

ナンバンギセル Aeginetia indica L.
(ハマウツボ科 OROBANCHACEAE)



 秋の観察会で、前月はつぼみがあったから、と参加者総勢で附近を探しまわった。背の低い草地で、あちこちに刈り込まれたススキが生えている。
 その間にポツポツと赤紫色の花が咲いていた。ナンバンギセルという寄生植物。宿主はイネ科という事だが、ススキにつく事が多いようだ。このとき見つかったナンバンギセルもススキの葉の間から見つかった。植物体全体を見ても葉等は見当たらず、ススキの根本から細い茎がすーっとのびてその先に頭でっかちな花が咲いている。完全にススキに寄生しているのだなぁ、という印象を受ける。
 ナンバンギセルの名は、南蛮(西洋)の煙管(きせる、煙草を吸う道具)の意味だろう。しかし、日本で使われる煙管とはちょっと形が違う気がする。昔テレビで放送していたシャーロックホームズや名探偵ポワロが手に持っていた、妙に頭のでかい、いわゆるパイプに似ている。




 

2018年2月25日日曜日

イヌザンショウの実

イヌザンショウ Zanthoxylum schinifolium Siebold et Zucc.
(ミカン科 RUTACEAE)


 山の中にはさまざまな匂いや香りを持つ植物がたくさんある。それらの中で、人間にとって気持ちの良いもの、よい影響を与えるものは、香味野菜や薬味と利用されている。サンショウ(山椒)はその代表的なものの一つで、薬味としてメジャーなもの。最近は、絶滅のおそれのある動物として話題を集めているウナギ(第4次レッドリストの公表について(汽水・淡水魚類)(お知らせ)|環境省)の薬味には書かせない。そんな利用できる植物は山を歩く際の楽しみの一つなのだが、ここ九州では、サンショウはやや標高の高い環境で現れる事が多く、私が普段活動している低山地のフィールドではなかなか出会えない植物の一つである。
 しかし、サンショウとよく似た植物には出会える。それがイヌザンショウ。植物名で「イヌ」とつく時は、「似て非なるもの」という意味が込められている事が多く、この場合も「サンショウとは似て非なるもの」という意味だろう。まあ、かわいそうといえばかわいそう。
 晩秋の観察会で、このイヌザンショウに出会った。葉はまだ緑色をしていたが、真夏に比べるとずいぶんと少ない。落葉したのだろう。葉を採って匂いをかいで見ると、確かに本家サンショウとは違う。いいにおいではあるけど、食べるとなると・・・そして、枝先には朱色の小枝と、その先端には果皮が破けて真っ黒な光沢のある果実がつやつやとしている。この色の組み合わせはかなり目立つ。色彩的に目立つ果実は、鳥たちに食べてもらいタネを運んでもらう戦略だと聞いたことがある。冬にめがけて喰いだめをする鳥たちを待っているのかもしれない。



 あと、文中に出て来たウナギについて。
 いま、個人的にはウナギを食べる事を控えています。少なくともスーパー等量販店では買いません。食べる時には、ウナギ屋さんにいく or 自分で釣るようにしています。
 いろんな情報があり、人それぞれの考え方があるとは思いますが、今、いろんな人がウナギについていろいろ調べてくれていますので、ウナギの状況がもう少しはっきりするまでは、個人的な消費は控えようというのが私の考えです。

「ウナギ 絶滅」google検索結果

kaifu lab. |中央大学法学部ウナギ保全研究ユニット
 https://c-faculty.chuo-u.ac.jp/blog/kaifu/

ウナギレポート|中央大学法学部/ウナギ保全研究ユニット Kaifu Lab
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~kaifu/index.html

2018年2月11日日曜日

イノコヅチのひっつき虫

イノコヅチAchyranthes bidentata Blume var. japonica Miq.
(ヒユ科 AMARANTHACEAE)

 寒空の中、枯れた草の中に、タネが残っているものに気づいた。

 イノコヅチだ。クモの糸が引っかかっていて、枝によっては細長いクモがじっとはり付いていた。イノコヅチの果実はいわゆる「ひっつき虫」。「ひっつき虫」は、動物の毛や人の衣服にひっついて運ばれる果実や種子のこと。この寒空の中、まだ枝に残っているという事は、動物にひっつく機会がなかったのだろう。

 ひっつき虫といえばオナモミが有名で、毛や衣服に絡み付くのがよく知られているが、このイノコヅチのひっつき虫はあんまり絡みそうな形をしていない気がする。

 よく見ると、黒っぽい果実が5枚のがくに包まれ、その外側には二本のトゲがある。これは、小苞と呼ばれる花の根本につく葉が、トゲ状に変形したもの。このトゲはがくにぴったり寄り添っていて、動物の毛や衣服の繊維を挟み込み、動物にひっつくことができるらしい。


2018年2月8日木曜日

アオサギの漁

アオサギ Ardea cinerea Linnaeus, 1758
(サギ科 ARDEIDAE)
 
 先日、街中を流れる川に目をやっていると鳥がいるのが見えた。めっちゃ寒いのに、川に入り込んでいる。まあ、野生の生き物なので、寒いからって餌とらないわけにもいかないからなぁ。
 ちょっと遠かったので、コンデジだとこの辺りが限界か。とても気に入っているコンパクトデジカメだけど、やはり遠距離はきついなぁ。
 細長い首と足や体型からサギの仲間かな。背中は青っぽくも見えるグレー、首は白く、顔の目の辺りから後頭部にかけて黒いライン、はねの辺りにも黒い部分がある。アオサギのようだ。低地の水辺に生息する留鳥という事は、一年中見ることができる鳥なのだろう。いかに鳥に疎い私でも知ってた。
 さて、この鳥、どうも魚かなにかを狙っているようなので、コンデジの動画モードで撮影してみた。
 
 普段動画はほとんど撮らないので、そもそもうまく撮れるかという問題と、動画をブログにあげるなんてしないのでうまく埋め込めているかという問題があるのだが、とりあえずできたような・・・
 じっと待ち、静かに近寄り、捕まえる方法なのね。日本のサギ類では最大らしいので、狙いはやはり魚か?今回は捕れなかったみたいだけど。

 さて、アオサギは田んぼとかで見るイメージを持っていたけれど、過去の写真を漁っていたら、海辺で撮影した写真が見つかった。

 完全に海。潮が引いたところにやってきて、立ちこんでいる。こんなところにもくるんだなぁ。食べるえさがしょっぱすぎるとかないのかな?

 アオサギについて調べていたら、アオサギのページを見つけた。
アオサギを議論するページ
 じっくり読もう。


 

2018年2月5日月曜日

ケヤキの種子散布

ケヤキ Zelkova serrata (Thunb.) Makino
(ニレ科 ULMACEAE)

 少し前、秋も終わり方に訪れた公園では、ケヤキが落葉していた。
 
 よく見ると、落ち葉に2つのタイプがある。葉が一枚一枚バラバラのタイプと、枝に数枚の葉がついたまま枝ごと落ちているタイプ。
 枝ごと落ちるタイプはこんな感じ。

 よーく見てみると、枝には葉だけでなく,葉の根元にちょっと角張った粒がついている。これはケヤキの果実。

 植物の果実は、さまざまな形がある。その形は、何者かにタネを運んでもらうための形であることも多い。タンポポのタネが綿毛を持っていて風に運ばれる、という話を小学校の国語の授業で知った人も多いのではなかろうか。ケヤキのこの葉のついた枝は、まさにタンポポの綿毛と同じ役割を果たしているようだ。

 実際、落ち葉をかき集めて高いところから落として見ると、この小枝は円を描くように回りながら落ち、はらはらと舞う一枚一枚の葉っぱよりもややゆっくりと落ちていった。滞空時間が長くなり、より遠くへ運ばれる可能性が高くなるのだろう。