2018年5月28日月曜日

手のひら型のシダ:ナチシダ

ナチシダ Pteris wallichiana J.Agardh
(イノモトソウ科 PTERIDACEAE)

 前回のヤツデに続き、手のひら型の葉をもつ植物、ナチシダ。手のひら型といっても、ヤツデより繊細な分かれ方をしている。
 まず、大きく5つに別れ、別れたそれぞれにはさらに細かく切れ込みが入り、レース編みの様になっている。とてもカッコいいシダだ。

 単純にカッコいい。

 ナチシダは、こちら(九州)では、あるところにはあるので普通に思っていたが、実は温かい地方のシダらしい。北限は静岡県で、その自生地は天然記念物に指定されている。

 ナチシダ自生北限地|文化遺産オンライン

 ただ、この場所のナチシダは保護政策が行われているにもかかわらず、減少しているらしい(2016年の記事、下記リンク)。自然保護って難しいんだなぁと、素直に感じてしまう記事だ。

 ジュンサイは増えすぎ!ナチシダは激減?天然記念物保護の皮肉な結果。|森本毅郎 スタンバイ!TBSラジオ(2016.7.19 火曜日11:30)

 じゃあ、増えれば良いのかというと、そうでもなく。実は、ナチシダは日本に野生する在来の草食大形哺乳類ニホンジカがあまり好まない植物といわれている。つまり、ナチシダが増えてきた、目立ってきたという環境は、ニホンジカが増えているのかもしれない。近年、ニホンジカが増えて問題になってきている。

 シカが日本の自然を食べつくす !?|環境省(pdfが開きます。)
 野生鳥獣による森林被害|林野庁

 格好よくてとても好きな植物の一つだけど、増えてきたら要注意なんだな・・・





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