2018年4月30日月曜日

クスノキの紅葉

クスノキ  Cinnamomum camphora (L.) J.Presl
(クスノキ科 LAURACEAE)

 一気に春めいてきたら、クスノキが紅葉をし始めた。

 真っ赤に染まった葉が、濃い緑の葉と黄緑の新緑と混じり合い、ある種、独特な紅葉風景となる。
 
 クスノキは、冬のあいだも葉をつけている常緑樹。常緑樹といっても一度作った葉をずーっとつけたまんまなのではない。クスノキを代表とする日本で見られる常緑樹の多くは、落葉樹と同じように大体一年で古い葉を落とし、新しい葉と入れ替える。ただし、落葉樹が秋に葉を落とし、冬のあいだは葉がない状態で過ごすのに対し、常緑樹は冬の間も葉をつけたまま光合成をして生活し、新しい葉が出る春に古い葉を落とす。

 このクスノキの紅葉を押し葉にしてとっておこうとしたが、感想が進むに連れて色あせて茶色になってしまった。どうしたら色が残せるのだろう。





花も秋、果実も秋のドングリ、シリブカガシ

シリブカガシ Lithocarpus glaber (Thunb.) Nakai
(ブナ科 FAGACEAE)

 秋の観察会で常緑樹の梢で虫が飛び回っているのに気づいた。

 花が咲いている。枝の先から細い花穂が何本も出ている。見たところ目立った花びら等はないが、盛んに羽音がしていて、花穂にとまるのも見られた。匂いで呼び寄せているんだろうか。

 この樹木はシリブカガシの木。秋にはころっとしたドングリがたくさん実る。それも結構たくさん、ザラザラという感じに。
 

 ドングリ一つひとつでバラバラに落ちているのも見かけるが、シリブカガシの場合は下の写真のように穂についたままの状態で落ちているのもよく見かける。


 ドングリの殻斗(一般にはドングリの帽子とか袴とか言われる部分)をはがしてドングリのお尻を見てみるとこんな感じ。


 尻が深くくぼんでいるような形をしている。シリブカガシの名は、このドングリの形に由来するものらしい。

 せっかくなので花を観察したかったが、なかなか手に届くところに咲いている枝がない。ようやく見つけたが、うまく写真が撮れていない。しまった。
 これは雄花のようだ。花は密についていて、細い糸状の雄しべがちろちろと出ている。糸の先は小さく丸く膨らんでいて、これが花粉を作る葯(やく)のようだ。

 こちらは雌花。雄花よりも間隔が広く、花の中央からちろっと雌しべが見えている。これがこのあと成長して、コロコロのドングリになるのだなぁ。

 植物の果実の生長の観察は、開花期と結実期の間が空いていると説明しにくくなるので、どうしても草本の果実で説明することが多くなる。このシリブカガシは、花は秋、実も秋、つまり秋に開花と結実が同時に見られる種類なので、誰でも知っているドングリという植物で花と実を観察できるいい例だなと思う。




 





2018年4月2日月曜日

外来のセンダングサ

コセンダングサの仲間 Bidens pilosa L. の仲間
(キク科 ASTERACEAE)

 春が訪れ、桜も散りつつあるこの時期に、去年の写真で記事をアップするという・・・

 身近なひっつき虫(動物の毛や人の衣服について運ばれる果実やタネ)の代表的なものの一つ、センダングサの仲間。細かく枝分かれした葉が、樹木のセンダンMelia azedarach L.(センダン科)の葉に似ていることからこの名がついているらしい。
 自分が子どもの頃はアメリカセンダングサBidens frondosa L.という外来の種類をよく見かけた気がするが、最近は違う種類の外来のセンダングサを見かけることが多くなった気がする。それがコセンダングサの仲間で、平べったく二本のトゲがある果実をつくるアメリカセンダングサに対して、細長い棒状でトゲが2〜3本ほどある果実をつける。

 この仲間、花(頭花)の形にいろいろなものがあるらしい。キク科の花序(花のあつまり)は、花が茎の先に丸くあつまるので、頭状花序(頭のような形の花序)と呼ばれる。集っている花はみなおなじ形ではない。ヒマワリやコスモスの花のように、花序の周囲にある花は花びらが大きく伸び、花序の内側の花では花びらが伸びないことが多い。(一方、タンポポの仲間では、全ての花で花びらが伸びる)
 コセンダングサの仲間の花では、花序の周囲の花の花弁は白色、まん中付近の花の花弁は黄色をしている。周辺の花の白い花びらの伸び方に、いろいろ違いがあるようだ。

1.コセンダングサ Bidens pilosa L. var. pilosa
 花序の周囲の花でも、花びらは伸びない。筒状の白い花弁が見える。

2.コシロノセンダングサ Bidens pilosa L. var. minor (Blume) Sherff
 花序の周囲の花の白い花びらが、大きく丸い形に伸びる。白い花びらの大きさは、花序中央の黄色い部分とほぼおなじくらいの大きさ。

3.オオバナノセンダングサ Bidens pilosa L. var. radiata Sch. Bip.
 花序の周囲の花の白い花びらが、コシロノセンダングサよりもさらに大きくなる。花序の黄色い部分の二倍かそれ以上にもなる。