(ヒユ科 AMARANTHACEAE)
寒空の中、枯れた草の中に、タネが残っているものに気づいた。
イノコヅチだ。クモの糸が引っかかっていて、枝によっては細長いクモがじっとはり付いていた。イノコヅチの果実はいわゆる「ひっつき虫」。「ひっつき虫」は、動物の毛や人の衣服にひっついて運ばれる果実や種子のこと。この寒空の中、まだ枝に残っているという事は、動物にひっつく機会がなかったのだろう。
ひっつき虫といえばオナモミが有名で、毛や衣服に絡み付くのがよく知られているが、このイノコヅチのひっつき虫はあんまり絡みそうな形をしていない気がする。