(ウルシ科 ANACARDIACEAE)
晩秋の植物の観察会でザラザラと実をつけた木がやたらと目についた。くすんだ黄土色で、少し歪んだ小判型の小さな実が房状にぶら下がっている。「ハゼノキだ」と書いたところで、はて、本当にハゼノキか?ヤマハゼかな?どうだろう。
このハゼノキとヤマハゼの区別は、野外ではちょっと面倒になってくる。
- 夏の頃ならば、しっかり成長している葉を触ってみるとすぐ区別できる。無毛ならハゼノキ、有毛(もぞもぞした手触り)ならヤマハゼ。
- しかし、ウルシ科といえば「かぶれる」木。ハゼノキもヤマハゼの木も、弱い人はかぶれる危険性大。基本的には、触らない、触らせない。
- この写真みたいに果実の頃は?かぶれる危険性は低いが、実で見分けるのはちょっとむつかしい。
という感じで、なんとも気楽にはおすすめできない。
自分はなぜだかかぶれない(さすがにウルシの時はかぶれたが・・・)。なので普段ならさっさと触って確かめるのだが、この写真を撮った時はうっかり確認するのを忘れていた。紅葉は残ってたのに、しまった。
ハゼノキは元々は人が栽培していたものが野生化したものと考えられている。となると、野外にはそれほど多くないんじゃとも思えるが、ここ熊本では結構多い。おそらく、かつて熊本藩が櫨蝋の生産を奨励し各地にハゼノキを植えていたから(例:菊池川のハゼ並木|玉名市)ではないかな?
ハゼノキの実から櫨蝋をしぼり和蠟燭ができるのならば、作ってみたい。ということで、この日に目についたハゼノキの果実を採集してきた。さて、いつやるのやら・・・