(ハマウツボ科 OROBANCHACEAE)
秋の観察会で、前月はつぼみがあったから、と参加者総勢で附近を探しまわった。背の低い草地で、あちこちに刈り込まれたススキが生えている。
その間にポツポツと赤紫色の花が咲いていた。ナンバンギセルという寄生植物。宿主はイネ科という事だが、ススキにつく事が多いようだ。このとき見つかったナンバンギセルもススキの葉の間から見つかった。植物体全体を見ても葉等は見当たらず、ススキの根本から細い茎がすーっとのびてその先に頭でっかちな花が咲いている。完全にススキに寄生しているのだなぁ、という印象を受ける。
ナンバンギセルの名は、南蛮(西洋)の煙管(きせる、煙草を吸う道具)の意味だろう。しかし、日本で使われる煙管とはちょっと形が違う気がする。昔テレビで放送していたシャーロックホームズや名探偵ポワロが手に持っていた、妙に頭のでかい、いわゆるパイプに似ている。