2008年2月24日日曜日

サンカクイ


サンカクイSchoenoplectus triqueter (L.) Palla
カヤツリグサ科 Cyperaceae
(たぶん)

今日はとある川へ、植物の確認に行ってきた。何でも、流れに水没して生育しているサンカクイがあるという。

サンカクイは流れがほとんど無い池沼や湿地に生育すると思い込んでいたため、にわかには信じられなかったが、「百聞は一見にしかず」(だったっけ?)と行ってきた。

その結果、たしかにあった。写真は画像処理を施して見やすくしてあるので浅そうに見えるが、実際は膝上から股下ぐらいの水深がある。その中で、流れに身を任せて悠然としていた。雪の降る2月にも関わらず青々としている。流水中という環境が、常緑を可能にしているのだろうか。

季節がら花序が無く同定には厳しかったが、

  1. 茎よりも明らかに細い地下茎を出すこと

  2. 茎の断面が、辺が外側に膨らんだ丸っこい三角形

  3. 果実の表面は平滑

  4. 花被片は果実とほぼ等長


といった特徴からサンカクイであると思われる。

花序がなかったので果実を探すのは大変だった。どうも、草刈りにあっているようで、茎の先端がまっすぐ横に切れている。ということは、普段の水深はもっと浅いのかもしれない。おかげで、花序の痕跡すらほとんど無い状態だった。

カンガレイの仲間も、かなりの数が混生していた。こちらの種類は同定できず・・・。花や果実の時期を待つしか無いか・・・

少し離れたかなり水流が強い場所に緑の絨毯があった。多分、マツバイだと思うが、これも花序が無いので、種類を同定するのはちとつらい。しっかし、マツバイってこんな環境に生えるもんだっけか?。水は轟々と流れてたぞ。


マツバイ Eleocharis acicularis (L.) Roemer et Schultes f. longiseta (Svenson) T.Koyama
カヤツリグサ科 Cyperaceae
(ちょっと自信が無い)


この川は不思議だ。植物の生態も不思議だ。植物は動物のように動けない分、かなりダイナミックに生態が変わる。これもその一例だろうか?

2008年2月23日土曜日

ズイナ

仕事で何気なく採集した標本の種子を見て驚いた。
なんでこんな形になるんだろ。
遺伝子と形態の関係性も気になるし、
進化上のプロセスも気になるし。

とりあえず、実体顕微鏡にデジカメを押し付けて撮影した。
意外なほど、撮れていない。
これは研究の余地有りだな。
実質、研究職についてはいない人間が研究を進めるなら
こんな技術の確立は大事だ。


ズイナ Itea japonica Oliver
ユキノシタ科 Saxifragaceae

2008年2月20日水曜日

ビワガニとトゲナシビワガニ



いきなりなタイトルだが、この2種をかなり気に入っている。カニらしからぬフォルムといい、つやつやとした体表といい、柔らかな色合いといい、すばらしい!!!。カワイイゾ、おまえら!!!

彼(彼女?)らに初めてあったのは、私の職場である。トゲナシビワガニに先に出会った。一目で気に入った。担当は違ったが、水槽を洗わしてもらったり、体表についたこけを取ったり、けっこうわがままさせてもらった。(触りすぎて死なせてしまって以来、手を出すのを極力控えているが)

トゲナシビワガニに見慣れてきた頃、ビワガニに出会った。職場に運び込まれた生き物たちの中に、トゲナシビワガニが数匹いて、その中に1匹だけ混じっていた。

担当の人に「これだけ色調が違いますよ」といったら、ビワガニであることとトゲナシビワガニ100匹あたり1〜2匹程度しか入らないことを教えてくれた。

そのあと、その担当さんに「さすが!」、「専門は違っても違いが分かる人はちがうねぇ」とおだてられ、なぜか、自分の仕事に対するやる気が増した。
人をほめるというのは難しいと思う。「からかい」や「ごますり」と勘違いされてしまうこともあるし、下手すればいい気にさせただけでのぼせ上がらせて、結果的にほめられた人を悪い方向へ導いてしまうこともある。しかし今回は、いい気分にさせてもらった上、やる気までアップした。この技術というか、感性というか、人柄というものを自分も会得したい。

任期付とはいえ、いい所に働いているなぁ、と感謝する今日この頃。