学名:
Rubus corchorifolius L.f.
小さな山の開けた日当りのよい薮に生えていました。ちょうど実が熟しているところで、おいしくいただきました。甘みは控えめで酸味もすくなく、さらっと食べやすい味でした。
(写真1)背の高さは1.5m位、枝垂れるような枝振りでした。薮に生えているというより薮を作っているというほうが的確かも。その所々にオレンジ色の実が見えます。
(写真2)葉はヘビイチゴや普段食べるオランダイチゴの三つ葉様ではなく、やや卵形っぽい切れ込みもない葉です。ビロードイチゴの名は枝や葉に柔らかい毛が生えていてビロードのようだからついたものですが、葉はあんまりビロードっぽくはありません。さわるとたしかに産毛が生えているのが分かりますが。写真の上段が表、下段が裏です。葉の裏の脈には鋭いトゲがあります。枝にもトゲがあり、イチゴを積むときは要注意です。
(写真3)一枚の葉の根元付近から細い枝が一本のびて、その先にイチゴが一つついています。イチゴは赤みがかった黄色で、たくさんの小さな水風船が集まったような形をしています。この水風船一つ一つが果実で、その中には甘い汁と種が入っています。
(写真4)種子です。取り出すのが面倒だった。かなり小さい。2mm弱と言ったところでしょうか。表面には網目模様があります。何か機能的な意味があるのかしら。