2011年12月18日日曜日

ツチトリモチ

ツチトリモチ
Balanophora japonica Makino
(BALANOPHORACEAE ツチトリモチ科)
地面に顔をのぞかせるツチトリモチ
 海辺に近い山を歩いていてハッと気づいた。実物をみたのはこれが初めて。


 地下にあるこの植物の根茎から鳥黐(とりもち)をつくったので「土鳥黐」。とりもちはべたべたとい粘着力が強いもので、かつてはとりもちを石や枝に塗り、そこに止まった鳥がひっついて飛べなくなったところを捕獲する猟が行われていた。しかし、現在はとりもちを使った猟は禁止されており、とりもちも禁止猟具とされている。


 とりもちの材料には、このツチトリモチの仲間の他、モチノキの仲間の樹皮も使われたそう。一度作って見たいものだ。使ったらダメだけど。
掘り出したツチトリモチ。地下部は意外と大きい。
 掘り出してみると花が集まった赤い部分はボーンと大きく、他は白っぽい。葉も小さい。この植物は寄生植物。クロキやハイノキの仲間の根に寄生するそうだ。上の写真の白い矢印で示した根が寄生された植物(多分クロキ)の根。寄生された先が大きくなってそこからツチトリモチが出ている。脇にいくつも花が出た後のようなふくらみがあるので、毎年、一本ずつ花茎を出しているのかもしれない。


 初めて見る植物は興奮するね。

0 コメント:

コメントを投稿