2012年4月25日水曜日

ヒトクチタケ

ヒトクチタケ
Cryptoporus volvatus (Peck) Shear.
(多孔菌科 Polyporaceae)


立ち枯れたマツの幹に栗のようなものが・・・
枯れたマツの幹にポツポツとはえる。

枯れて一年程度のマツに生えるキノコ、ヒトクチタケ。
近くに寄ってみると・・・

ヒトクチタケを横から見た。表面はつやつや、ちょっとひび割れ。
 本当に一口で食べれそうな、栗のようなキノコ。表面はつやつやしてて、かたい。
キノコの仲間というけれど、まん丸していてシイタケのような、胞子を作る、傘の裏の部分がない・・・

ヒトクチタケを縦にきったところ。

胞子を作る部分はキノコの内側にある。シイタケの傘の端っこがグ〜っとのびてキノコをまんまるにつつんでしまったような感じだ。

この胞子を作る部分は、シイタケのようなヒダヒダではなく、ごく細い管がぎっしり並んだ、というか、細かな穴がビッシリあいたような形をしている。だから「多孔菌科」なのか。


ヒトクチタケの裏側。根元に穴があいている。あと、ちょろっとしっぽが・・・
こんなに包んでしまって、どこから胞子を出すのよ、というと、裏にひとつだけ穴がある。ここからハラハラと胞子が飛び出すのか・・・なあ?

でも、すっごく臭くて(本には魚の干物のような、とある)、それで虫を集めるらしい。裏側の穴は、胞子を運ぶ虫の出入り口かな?


おお?このヒトクチタケ、しっぽがある!!!このしっぽはなんだ!

枯れ木なんかに生えるキノコって、枯れ木の中に菌糸がいっぱい増えてから、枯れ木の表面に近い所で「もこっ」とキノコが出てくるようなイメージがある。でも、このヒトクチタケは、枯れたマツの中で菌糸が充分に増えたあと、マツの枯れ木のなかの穴を通って表面に伸びてそこからキノコを出すそうだ。

マツの中の穴とは何か?

それは、マツの害虫があけた穴。つまり、マツの害虫がマツの木の中に入り込み、ガリガリと掘り進んだ穴。ヒトクチタケは、マツの害虫が掘り進んで外に出た時に残った穴をとおってキノコを出している。

ただ、マツの害虫とヒトクチタケがどのような関係にあるのか、まだ良く分かっていないらしい。


さて、ヒトクチタケって名前は、一口で食べれそうだから? それとも裏に穴(口)がひとつだけあるから? どっちだろう・・・



0 コメント:

コメントを投稿