2012年11月6日火曜日

クロシタナシウミウシとその卵嚢

クロシタナシウミウシ
Dendrodoris fumata (Ruppell & Leuckart, 1831)
(クロシタナシウミウシ科 DENDRODORIDIDAE )

クロシナタナシウミウシ(画面下の黒い物体3つ)と
卵嚢(黄色いバラの花状のもの)

またまた季節外れなんだけど、この夏見たクロシナタナシウミウシ(おそらく)。磯の転石をめくったらいた。

成体のほうは黒い色にオレンジ色の縁取り、水につけておくとウミウシ(海牛)の名の通り牛の角のような触覚と、背中にゆらゆらとしたえらを出す。

画面まん中の黄色いものは卵の固まり。バラの花のような感じで渦巻き状に石に引っ付けていた。3体の成体は卵嚢を守っているのか、産んでる途中だったのか・・・

クロシタナシウミウシのシタナシってなんだろう?と調べたら、「舌無し」ということらしい。巻貝などは歯舌というヤスリのような舌をもっている。この舌で海藻などの食べ物を削り取ってたべている。ウミウシはこう見えても貝の仲間で、多くの種はこの歯舌をもっているらしい。しかし、このクロシタナシウミウシは歯舌を持っていない。そのことから来た名前のようだ。

歯舌といえば、大学生のころ、この歯舌を取り出して観察する実習があった。同級生の女の子が「アサリの歯舌はどんなのかなぁ?」という声を聞いて、私は「アサリは濾過食だから歯舌なんてないよ」とばっさり言い放ち、まわりの人をドン引きさせた嫌な思い出がある。

理学部の学生だったんだから、せめて「ないと思うけど確認しなきゃね、解剖だー!!」くらい言えよ●十年前のおれ・・・

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