2011年8月31日水曜日

ヤマホトトギス

ヤマホトトギス
Tricyrtis macropoda Miq.


ヤマホトトギス。南阿蘇国民休暇村野草園にて
ちょっと貧弱だけど頑張って一輪咲かせていた。ホトトギスは独特の雰囲気。こんな斑紋あったら普通は気持ち悪いと思われそうなのに、そんなことないなぁ。


むかーし読んだ山菜の本にはホトトギスが食べられると書いてあったがホントかな?

2011年8月30日火曜日

マヤラン

マヤラン
Cymbidium macrorhizon Lindl.


マヤラン。南阿蘇国民休暇村野草園にて
マヤランなるものを教えてもらった。葉はなく、色も白っぽい。自分では光合成できない腐生植物だそうだ。周りがせっせと光合成している中で、他とは違う生きる道を巧く見つけ出して、したたかに生きる姿は感動するなぁ。見習いたいもんだ。


何の仲間か。学名にCymbidium(シュンラン属)とあるように、園芸でも人気のあるシュンラン(以前のシュンランの記事参照)の仲間。で、この属名Cymbidiumを読んでみると「シンビジウム」、つまりはシンビジウムと呼ばれて売られているランもこのシュンランの仲間。


シュンラン属は、花の美しい種類が多いんだろうな。

2011年8月25日木曜日

キイロオオシワアリ

キイロオオシワアリ
Tetramorium nipponense



多分、キイロオオシワアリで良いと思う。でも、日本産アリ類画像データベースの写真とくらべるとちょっと赤みが強いなぁ。撮影時の設定かも知んない。


ビーティングという方法で低木の葉や枝の上にいたものを採集した。背中や頭のしわと、腹部のツヤがすてき。すねの膨らみもちょっと艶っぽい。


ちょっとアリにはまりつつある今日この頃。

2011年8月24日水曜日

シュレーゲルアオガエル

シュレーゲルアオガエル
Rhacophorus schlegelii (Günther, 1858)


山を歩いていたら、木の葉の上にじっとうずくまるカエルの姿が・・・
ちょっと高くて写真も撮れないので、申し訳ないが落ちてもらった。


全身緑色、模様もない。目の周りの黄色が目立つ。
やや大きい、4センチメートルくらいはあったかな。アマガエルよりは明らかに大きい。


カエルはあんまりマジマジ見たことないので自身はないが、多分シュレーゲルアオガエル。
泡アワをつくってその中に卵を産むカエルね。アワをつくって卵を産むカエルには、あとモリアオガエルがいるけど、そちらは模様があったり、大きかったりするらしい。
逃げるタイミングをうかがうシュレーゲルアオガエル
来年の春に泡アワを探しに行こうか。

2011年8月23日火曜日

コンテリクラマゴケ

コンテリクラマゴケ
Selaginella uncinata (Desv.) Spring


和名の最後に“ゴケ”とついてるけども、コケではなく、シダの仲間。
イワヒバ科というグループ。


地面を這うようにはえている。
地面に生えるコンテリクラマゴケ


では“コンテリ”は?
紺色の照りがある、という意味。
緑色の植物ですが、
緑色のコンテリクラマゴケ


ちょっと角度を変えると・・・紺色っぽく光を反射します。
微妙に角度を変えると青みがかった光を反射する


なんでかな?
構造色?

2011年8月3日水曜日

ヒトリシズカ

ヒトリシズカ(センリョウ科)
Chloranthus japonicus Sieb.

阿蘇にわらび狩りに行った時に撮影。阿蘇でわらび狩り、ということなので、当然採草地(草原)に生えていた。

図鑑を見ると「山の木陰」とある。阿蘇が人によって切り開かれ草原となる前には森林だった名残かな?などと壮大なことを考えてみたが、別の本には「山野の森林や草地」とも書かれていて、草原にも生えるものなのかも。

4枚の葉に包まれるように花穂が立つ。この花穂がたいがい1本なので、姿の美しさもあわせて「一人静」と呼ばれるようになったのだろう。

が、白く見える花は実はおしべのである。
白いおしべは根元から3本に分かれている(水色の三角)。そのうちの外側の2本の根元に黄色い葯(花粉の袋)がある(青の△)。めしべはおしべの根元にある(赤の三角)。




(参考文献)
原色日本植物図鑑〈草本篇 第2〉離弁花類 (1961年) (保育社の原色図鑑〈第16〉)
野に咲く花 (山渓ハンディ図鑑)

エナシヒゴクサ

エナシヒゴクサ
Carex aphanolepis Franch. et Sav.


エナシヒゴクサ。太い穂は雌花の穂でもう果実が熟している。
先端に枯れかけて垂れ下がっている細い穂は役目を終えた雄花の穂
カヤツリグサ科のスゲ属の植物。
「エナシ」というのは柄が無いということ。この仲間にヒゴクサCarex japonica Thunb.というのがあって、その花穂には長い柄がある。それに対して、エナシヒゴクサの場合は写真の通り長い柄がない(柄が短い)。


じゃ、ヒゴクサの「ヒゴ」は?なんだろ?多分竹ヒゴのヒゴと同じ、つまり細い棒という意味じゃないかなぁ。ほら、茎がそんな感じでしょ?しらべてみよう。

ハナイカダ

ハナイカダ
Helwingia japonica (Thunb.) F.Dietr.


野山でよく見つける植物。葉の上に花がちょんとのる。その名もハナイカダ(花筏)。これはもう実になっていました。


ハナイカダの木


 よく見ると、二つ、三つと実がついている。ここまで実っているのもあんまり見ないかも。
ハナイカダの実のなる様子
花のつく枝と葉の脈がぴったり寄り添ってくっついてしまったためにこんなことになるそうだ。面白いこともあるもんだ。


あと、意外に実が黒くなることを知らない人も多いみたい。黒くなりますよ。赤かったら派手だろうなと思ったら、実が赤くなるヒマラヤハナイカダHelwingia himalaica Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarkeなるものがあるらしい。見てみたいものだ。

シシンランとゴイシツバメシジミ

シシンランとゴイシツバメシジミ
Lysionotus pauciflorus Maxim., Shijimia moorei


市房山に行ってきた。市房山はいろいろな生物がいるけれど、国の天然記念物であるゴイシツバメシジミは特に有名なもののひとつだろう。


ゴイシツバメシジミの幼虫は、シシンランの花を食べるそうだ。葉ではなく花。花のどこを食べるのだろう。種子生産に問題ないのかな。


シシンランは、ランと名はつけどラン科ではなくイワタバコ科の植物で、花はランとは似ても似つかない。シシンランの「ラン」は樹上に着生するようすからきているらしい。
シシンランの花
 その花は、放射相称のイワタバコの花とは異なり、左右相称の大きな花である。この花をゴイシツバメシジミの幼虫がもりもり食べる訳だ。


シシンランの花の周りを舞うゴイシツバメシジミ(黄色い矢印)
で、ゴイシツバメシジミですが、う〜ん、コンパクトデジカメではちょっときびしいですね・・・。卵を産みにきているようです。親のチョウはシシンランの花の蜜は吸わないそうです。ここ市房山では、雌はヒメジョオンの花の蜜しか吸わないということで、ヒメジョオンをプランターに植えていました。ヒメジョオンって外来種。ヒメジョオンが移入する前は何を吸っていたのだろう・・・

キヨスミウツボ

キヨスミウツボ
Phacellanthus tubiflorus Siebold et Zucc.


キヨスミウツボの結実
地面に何とも変なものが・・・花が終わり、実がついているもよう。白いのが果実。茎は茶色く枯れているようで、ものによっては腐り始めていてもろいものもある。

まだ枯れてない部分をよくみると、透明感があり緑色ではない。葉緑素を持たない寄生植物のようだ。 
キヨスミウツボを手に取る
手に取ってみると、果実は茎の先端にあつまって放射状にならんでいる。花もやはり茎の上部に集まってついていたのだろう。


正体は、ハマウツボ科のキヨスミウツボ。他種の植物の根に寄生して栄養をもらって生活するらしい。来年は花が見たいな。