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キイレツチトリモチ
Balanophora tobiracola Makino
(BALANOPHORACEAE ツチトリモチ科)
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枯れ葉の間から顔を出すキイレツチトリモチ |
ツチトリモチの記事をアップしてから「そういえば前にこの仲間写真撮ったよな〜」と探してたらでてきたでてきた。キイレツチトリモチ。「キイレ」は鹿児島県の喜入町のことで、最初に見つかった場所だそうだ。
ツチトリモチは実は雄花が見つかっていないそうだが、このキイレツチトリモチは雄花があるそうだ・・・ってどれだ?花びらが三つあってすぐ分かるらしいのだが、まだ蕾の状態で開いてないようだ。丸いぷつぷつがそうなのかなぁ
こいつも寄生植物でトベラやシャリンバイの根に寄生する。トベラやシャリンバイは海岸近くに生える植物なので、キイレツチトリモチも海岸近くの森林等に生える。
寄生植物は葉緑素を持たず他人から栄養をもらう。だから、種が芽を出したとき大変だろうな。発芽してすぐに、うまく宿主(キイレツチトリモチの場合、トベラやシャリンバイ)の根に出会わないと枯れてしまうのだろう。
<冬芽2011年12月(5)>
ヘツカニガキ
Sinoadina racemosa (Siebold et Zucc.) Ridsdale
(RUBIACEAE アカネ科)
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ヘツカニガキの冬芽。 |
ヘツカニガキの冬芽。枝の先がふくれて、冬芽は隠れているのかな。坊主頭だ・・・
暖かいところの植物で、日本では九州や四国の南部に生えている。ヘツカニガキの「ヘツカ」は鹿児島県の「辺塚」のこと。
<冬芽2011年12月(4)>
ヤマハゼ
Toxicodendron sylvestre (Siebold et Zucc.) Kuntze
(ANACARDIACEAE ウルシ科)
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ヤマハゼの冬芽。ハゼノキと違い、毛深い。 |
こちらはハゼノキと同じウルシ科のヤマハゼ。枝を引っ張って写真を撮ったので斜めだ。ハゼノキはと違って毛深い。夏、葉が開いているときは、「ハゼかなぁ〜ヤマハゼかな〜」とかいいながら葉をさわって、「毛があったらヤマハゼ!」とかしていた。冬芽は一目瞭然だなぁ!!と感激。
葉をさわっていると、周りの人からは「かぶれないの!?」って驚かれたりした。確かにハゼノキやヤマハゼの木の下を通るだけでかぶれる人もいるので、お勧めできる見分け法ではないな。
葉が落ちてしまった冬芽の時期は比較的かぶれにくいらしいので、双眼鏡等を使って遠くから確認すれば、葉をさわるよりは安全に見分けができるかも。でも、敏感な人は近づかないに限ります。
<冬芽2011年12月(3)>
ハゼノキ
Toxicodendron succedaneum (L.) Kuntze
(ANACARDIACEAE ウルシ科)
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ハゼノキの冬芽。毛はほとんどなくつややかな感じ。 |
ハゼといえば「かぶれる」と言うことから悪者的に警戒しがちだけど、かつては和ろうそくの原料として植えられ、重要な産業を支える植物として扱われていたそうな。
水滴型というか円錐型というか、やや崩れた感じのかたち。芽鱗は毛もなくスルンとした表面。葉痕はやや横に広い三角形という感じ。
よく似たヤマハゼの冬芽は毛がある。
<冬芽2011年12月(2)>
コナラ
Quercus serrata Murray
(FAGACEAE ブナ科)
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コナラの冬芽。芽鱗の色と縁取りがきれい。 |
コナラの冬芽はとても綺麗。やや長いたまご型〜しずく型の冬芽が枝先にあつまる。冬芽は上から見ると五角形をしていて、その角にそって芽鱗(がりん)がピシッとならぶ。
枝の表面にはややおおきな皮目がある。
<冬芽2011年12月(1)>
クヌギ
Quercus acutissima Carruth.
(FAGACEAE ブナ科)
冬芽(ふゆめ)。
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クヌギの冬芽。しずく型で白い毛が生える。 |
冬芽の観察をテーマにした行事があったので、その準備や本番のときの写真をこれからいくつかご紹介。
(冬芽の基本)
冬芽(ふゆめ)は「とうが」とも読むことがあるらしいけど、「ふゆめ」のほうが一般に分かりやすい気がする。冬芽は枝の先や、枝の途中の葉がついていたところのわきなどにつく。だから冬芽のすぐ下には葉がついていたあとである葉痕(ようこん)がある。
冬芽の中には、春暖かくなってからひらく葉や花が小さく折り畳まれて入っている。そのまわりを魚のうろこのような小さな葉が包んでいる。この小さな葉は芽鱗(がりん)という。植物の種類によっては芽鱗がない冬芽もあり、その場合は「裸(はだか)の冬芽」という意味で裸芽(らが)とよぶ。
この冬芽はクヌギ。カブトムシやクワガタが好きなブナ科の樹木。冬芽の形はしずく型、たくさんの芽鱗がつつんでいる。芽鱗はふちに白い毛があるので、冬芽全体はなんとなくモコッとした感じ。
枝にポツポツある白い点は皮目(ひもく)と呼ばれるもの。形、大きさ、多さなどで樹木の種類を調べるヒントにする。
ツチトリモチ
Balanophora japonica Makino
(BALANOPHORACEAE ツチトリモチ科)
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地面に顔をのぞかせるツチトリモチ |
海辺に近い山を歩いていてハッと気づいた。実物をみたのはこれが初めて。
地下にあるこの植物の根茎から鳥黐(とりもち)をつくったので「土鳥黐」。とりもちはべたべたとい粘着力が強いもので、かつてはとりもちを石や枝に塗り、そこに止まった鳥がひっついて飛べなくなったところを捕獲する猟が行われていた。しかし、現在はとりもちを使った猟は禁止されており、とりもちも禁止猟具とされている。
とりもちの材料には、このツチトリモチの仲間の他、モチノキの仲間の樹皮も使われたそう。一度作って見たいものだ。使ったらダメだけど。
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掘り出したツチトリモチ。地下部は意外と大きい。 |
掘り出してみると花が集まった赤い部分はボーンと大きく、他は白っぽい。葉も小さい。この植物は寄生植物。クロキやハイノキの仲間の根に寄生するそうだ。上の写真の白い矢印で示した根が寄生された植物(多分クロキ)の根。寄生された先が大きくなってそこからツチトリモチが出ている。脇にいくつも花が出た後のようなふくらみがあるので、毎年、一本ずつ花茎を出しているのかもしれない。
初めて見る植物は興奮するね。
マルバルコウ
Ipomoea coccinea L.
(CONVOLVULACEAE ヒルガオ科)
休耕地をおおいつくすように生えるつる植物。ところどころにオレンジの花がさいている。
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休耕地をおおうマルバルコウ |
オレンジの花はこんな感じ。
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マルバルコウの花 |
ヒルガオ科、つまりはアサガオのなかまなんだけど、マルバルコウの花は五角形。なかなかしゃれている。このおしゃれなマルバルコウ、実は熱帯アメリカ原産の外来生物。1850年頃に園芸目的で日本に持ち込まれたそうだ。花は小さくてかわいいけど、こんだけはびこるのは家庭で育てたりするのは大変じゃないか?
そのうち逃げ出して野生化してしまって、今では空き地だけではなく畑にもはえるようになっている。かわいがられるはずだったのに、いつのまにか「問題雑草」と呼ばれて駆除されるはめになっている。Google scholarでマルバルコウを検索すると、問題雑草としての研究論文がかわいそうなくらいゾロゾロでてくる。
外来生物をどのように考えるか、難しいですね。