2017年7月16日日曜日

ハンゲショウ

ハンゲショウ Saururus chinensis (Lour.) Baill.
(ドクダミ科 SAURURACEAE)

 ハンゲショウの名前は、日本の暦で半夏生(はんげしょう)の頃に花が咲くことからきたらしい。さらに、この暦の半夏生は、植物の半夏(はんげ=カラスビシャク)が生える頃という説があるそうだ。植物--->暦--->植物と、ループしてる感じが面白い。なお、この半夏生は農事にとっては大切な節だったらしく、この頃までに田植えを終わらせるとされていたそうで、現在の7月2日ごろ(年によって変わる)だそうな。

 たぶんその頃だったと思うが、ため池を散策していたら、岸辺の一角に背の高い植物が群生しているのに気がついた。ちょうど花期で、この頃だけ花序のすぐ下の葉が白くなるので、遠目からでもよういにハンゲショウだと見分けがつく。


 葉の根元の方から白くなっていて、上の方の葉がより白い。こんなに白くなってしまっては、植物の大事な機能の光合成がほとんどされていないだろうな。


 しかし、見ているとたくさんの昆虫類が花を訪れている。多数の花が集った花序とは言え花自体は小さく目立たない代わりに、下の葉が白くなって目立たせて、昆虫に知らせているのかもしれない。水辺であることもあり、トンボの類いも多かった。狩り場になっているのかも。

 ハンゲショウが生えるため池や湿地等は、開発されたり護岸されたりでどんどん減ってきているようだ。そのためか、日本各地のレッドデータブックなどで様々なランクに選定されている。見つけたら大事にしたいものだ。

ハンゲショウのレッドデータブック全国マップ
http://www.kurosan.sakura.ne.jp/RDB/map/sp-5/5/5553.htm