2011年8月3日水曜日

ヒトリシズカ

ヒトリシズカ(センリョウ科)
Chloranthus japonicus Sieb.

阿蘇にわらび狩りに行った時に撮影。阿蘇でわらび狩り、ということなので、当然採草地(草原)に生えていた。

図鑑を見ると「山の木陰」とある。阿蘇が人によって切り開かれ草原となる前には森林だった名残かな?などと壮大なことを考えてみたが、別の本には「山野の森林や草地」とも書かれていて、草原にも生えるものなのかも。

4枚の葉に包まれるように花穂が立つ。この花穂がたいがい1本なので、姿の美しさもあわせて「一人静」と呼ばれるようになったのだろう。

が、白く見える花は実はおしべのである。
白いおしべは根元から3本に分かれている(水色の三角)。そのうちの外側の2本の根元に黄色い葯(花粉の袋)がある(青の△)。めしべはおしべの根元にある(赤の三角)。




(参考文献)
原色日本植物図鑑〈草本篇 第2〉離弁花類 (1961年) (保育社の原色図鑑〈第16〉)
野に咲く花 (山渓ハンディ図鑑)

エナシヒゴクサ

エナシヒゴクサ
Carex aphanolepis Franch. et Sav.


エナシヒゴクサ。太い穂は雌花の穂でもう果実が熟している。
先端に枯れかけて垂れ下がっている細い穂は役目を終えた雄花の穂
カヤツリグサ科のスゲ属の植物。
「エナシ」というのは柄が無いということ。この仲間にヒゴクサCarex japonica Thunb.というのがあって、その花穂には長い柄がある。それに対して、エナシヒゴクサの場合は写真の通り長い柄がない(柄が短い)。


じゃ、ヒゴクサの「ヒゴ」は?なんだろ?多分竹ヒゴのヒゴと同じ、つまり細い棒という意味じゃないかなぁ。ほら、茎がそんな感じでしょ?しらべてみよう。

ハナイカダ

ハナイカダ
Helwingia japonica (Thunb.) F.Dietr.


野山でよく見つける植物。葉の上に花がちょんとのる。その名もハナイカダ(花筏)。これはもう実になっていました。


ハナイカダの木


 よく見ると、二つ、三つと実がついている。ここまで実っているのもあんまり見ないかも。
ハナイカダの実のなる様子
花のつく枝と葉の脈がぴったり寄り添ってくっついてしまったためにこんなことになるそうだ。面白いこともあるもんだ。


あと、意外に実が黒くなることを知らない人も多いみたい。黒くなりますよ。赤かったら派手だろうなと思ったら、実が赤くなるヒマラヤハナイカダHelwingia himalaica Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarkeなるものがあるらしい。見てみたいものだ。

シシンランとゴイシツバメシジミ

シシンランとゴイシツバメシジミ
Lysionotus pauciflorus Maxim., Shijimia moorei


市房山に行ってきた。市房山はいろいろな生物がいるけれど、国の天然記念物であるゴイシツバメシジミは特に有名なもののひとつだろう。


ゴイシツバメシジミの幼虫は、シシンランの花を食べるそうだ。葉ではなく花。花のどこを食べるのだろう。種子生産に問題ないのかな。


シシンランは、ランと名はつけどラン科ではなくイワタバコ科の植物で、花はランとは似ても似つかない。シシンランの「ラン」は樹上に着生するようすからきているらしい。
シシンランの花
 その花は、放射相称のイワタバコの花とは異なり、左右相称の大きな花である。この花をゴイシツバメシジミの幼虫がもりもり食べる訳だ。


シシンランの花の周りを舞うゴイシツバメシジミ(黄色い矢印)
で、ゴイシツバメシジミですが、う〜ん、コンパクトデジカメではちょっときびしいですね・・・。卵を産みにきているようです。親のチョウはシシンランの花の蜜は吸わないそうです。ここ市房山では、雌はヒメジョオンの花の蜜しか吸わないということで、ヒメジョオンをプランターに植えていました。ヒメジョオンって外来種。ヒメジョオンが移入する前は何を吸っていたのだろう・・・

キヨスミウツボ

キヨスミウツボ
Phacellanthus tubiflorus Siebold et Zucc.


キヨスミウツボの結実
地面に何とも変なものが・・・花が終わり、実がついているもよう。白いのが果実。茎は茶色く枯れているようで、ものによっては腐り始めていてもろいものもある。

まだ枯れてない部分をよくみると、透明感があり緑色ではない。葉緑素を持たない寄生植物のようだ。 
キヨスミウツボを手に取る
手に取ってみると、果実は茎の先端にあつまって放射状にならんでいる。花もやはり茎の上部に集まってついていたのだろう。


正体は、ハマウツボ科のキヨスミウツボ。他種の植物の根に寄生して栄養をもらって生活するらしい。来年は花が見たいな。

2011年7月22日金曜日

マスクサ

マスクサ
Carex gibba Wahlenb.


マスクサの花穂。これはちょっと上下につまっている。
マスクサという、身近なカヤツリグサ科スゲ属の植物。最初見た時ちょっと惑わされた。マスクサってもう少し長く伸びた茎に花穂が転々とつく感じ、ちょうど足掛けが飛び出た電信柱みたいに。この写真は一番下の花穂は離れているけど、上の部分は互いにほとんどくっついている。


典型的な写真が・・・なかった。また紹介しよう。

2011年7月21日木曜日

コモチシダ

コモチシダ
Woodwardia orientalis Sw.


小高い山の小さな小川沿い、北向きの斜面に大きなシダが生えていた。葉の長さは1.5mほど。おおきい!大きいシダは、南国にきた気分にさせる。


このシダ、なんだか表面にツブツブが見える。
小川沿い、北向き斜面に生えるコモチシダ
 よくみると、小さな葉っぱのような・・・
葉の表面。小さな“芽”が出ている。
これは、無性芽と呼ばれる芽。ゆくゆくはこの芽が落ち、地面に根付くのでしょう。つまりこの芽は「子ども」。子どもをたくさん葉の表につけるからコモチシダ(子持シダ)。


最近、「子持ち」というのにえらく同情するようになった。がんばれ!

2011年7月18日月曜日

タシロラン

タシロラン
Epipogium roseum (D.Don) Lindl.
タシロラン全体
職場の自然系講座に参加されている方が自主的に山を調査されていて発見されました。残念なことに花は終わりかけ。白っぽい色をしているのは、この植物が光合成に必要な緑色の色素(葉緑素)を持たず、菌類と共生し栄養をもらっていきているため。地下にはジャガイモのような部分があり、ここで菌と共生しているのでしょう。

タシロランの花
タシロランの「タシロ」は植物学者の「田代善太郎」が発見されたことにちなむ。

コクラン

コクラン
Liparis nervosa (Thunb.) Lindl.


コクランの花
標高が低いところに発達する常緑広葉樹林に生育するため、比較的身近に観察できるランの花。コクラン(黒蘭)というけど、紫がかった褐色と言うべきか。


茎の根元は太く多肉質で瑞々しい感じ。この部分が漢方に使われるとか聞いたことがあるけど、何に効くんだろう。調べようとしたけど、コクラン共同計画(治療、予防に関する医療テクノロジーアセスメントのプロジェクト)の検索結果がたくさん出てきて目当てのものにたどり着けない・・・


検索窓に「コクラン -cochran -レビュー -ライブラリー -ポケモン -トム -エディ -トマス」とたくさん入れてようやく植物のコクランの検索結果が出るようになったけど、それでも漢方の話題は出てこない。もしかしたら、民間療法の類いか・・・

2011年7月16日土曜日

ナミギセル

ナミギセル
Stereophaedusa japonica (Crosse, 1871)




貝殻の長さが1.5センチメートルくらいの、キセルガイの仲間。これも息子が通う中学校の敷地内で見つけました。貝殻の口の反り返りと表面のしわがカッコいい!!


貝に詳しい方に話を聞いたところ、ナミギセルは熊本県では比較的最近見つかったそうで、その後も、人家の近くや今回のような学校など、人の出入りがある場所に限ってみつかっているそう。


どんな分布をしているのか、広がり方をしているのか、ちょっとフシギ?

アズキガイ

アズキガイ
Pupinella rufa (Sowerby, 1864)




息子の通う中学校で見つけた小さな貝。貝の長さは大体1センチくらいでしょうか。写真はややオレンジがかって写ってしまったけど、濃い紅色というか、本当に小豆のような色合いで、形も小豆っぽい。地面等にたくさんいると、本当に小豆がちらばっているみたい。


普段はどこに隠れているか知らないけれど、雨上がり等にはい出してきている。体は黒く、細い触覚が二本。貝の口には丸いフタがある。同じ陸の貝でもカタツムリにはフタがない。一口に陸の貝といっても、いろんな仲間がいるようです。

2011年7月13日水曜日

オキギセル

オキギセル
Vastina vasta (Boettger, 1877)


雨上がりの山を散策中、落ち葉の上で食事をしている貝を発見。キセルガイの仲間、オキギセル。


陸上の貝の知名度No.1はカタツムリなんだろうけど、このキセルガイの仲間も意外にたくさんいる。キセルガイの「キセル」は「煙管」のこと。細長い形をタバコを吸う煙管になぞらえたんだろう。


陸上の貝は、淡水の貝もそうなんだけど、海の貝に比べるとちょっとツヤもないし、薄くてもろい。陸上は、貝殻の材料となるカルシウムが不足しがちな環境のためらしい。




<追記>
寝ぼけてますね。つい2回ほど前にオキギセルで記事書いているじゃないですか。すみません。

2011年7月5日火曜日

アミガサダケの仲間

アミガサダケの仲間
Morchella sp.




過去の写真の整理をしていたら出て来た画像。二年くらい前の3月に撮影したものなので、今山に行ってもないんだろうな。


種類を調べようと思ったけど、やはり実物がないとむずかしい・・・いや、きのこに詳しい人はすぐ分かるんでしょうけど。


この仲間は、この春、阿蘇にわらび狩りに行ったときもみました。このときはウドを掘るのに夢中で写真撮ることすら忘れてた・・・


傘の形が独特で面白いですね。

2011年7月2日土曜日

サツマスゲ

サツマスゲ
Carex ligulata Nees ex Wight




比較的平地の山で見つけました。サツマスゲのサツマは薩摩(鹿児島県)で良いのかな?。日本のスゲ (ネイチャーガイド)では大体関東より南となっているので、良いのかもしれない。


カヤツリグサの仲間とか結構マイナーだけど、個人的に一番しびれるのは規則性。このサツマスゲなんて、規則正しい間隔で葉(苞:ほう)と花穂(小穂:しょうすい、という)が並ぶ様は、ついつい「かっこいい〜!!」と思ってしまう。


この花穂、写真で目立っている部分は雌花(めばな)が集まっているもので、実はこの時、ほとんどタネが実っている。雄花(おばな)はどこかと言うとこの茎の先端、うすく茶色がかった細い穂がそれである。


さて、雌花の穂をよく見ると小さなツブツブがあつまっている。これがひとつの花であり、実であるが、これは果胞という袋に包まれている。これはカヤツリグサ科の中でもスゲ属だけの特徴である。


で、なんでこんな小難しいことを説明したかと言うと、このサツマスゲ、その果胞に短くて白い毛がミッシリと生えていて、日の光に当てながら観察するとそれはそれは美しいんです。ぜひぜひ、見てみてくださいな。


じゃあ、なぜ写真を載せないかって?いやぁ、コンデジしか持ってなくて、撮影できないんですよね。デジタル一眼、欲しいなぁ・・・