Juglans mandshurica Maxim. var.
sieboldiana (Maxim.) Makino
熊本市の江津湖畔に水面に張り出した木がありました。葉は羽状複葉でちょっとごわごわした感じです。そして、枝の先には緑色のまるっとした実が房状についています。足下には緑色や茶色く変色した実がゴロゴロと落ちていました。
これ、オニグルミというクルミ科の樹木で、やや湿ったところが好きな樹木です。江津湖畔だけでなくちょっとした河川の河原や土手にぽつぽつと生えています。
クルミのなかまなんだけど、お菓子とかに使われているクルミとはちょっと種類が違います。でも、とってもおいしいクルミの味がします。このおいしいクルミを食べるためには、青い実から種を取り出さなくてはなりません。
種を包んでいる緑色の分厚い皮は、アクが強く、素手でさわると手が黄色く染まります。この部分で
草木染めをすることもあります。鉄分があると染まりやすいので、果肉を取り除くのに包丁を使うのはやめた方がいいでしょう。私は石でたたきました。果肉がぽろぽろととれるくらい茶色くなった実を拾うか、青い実だったら土に埋めるかする方法もあります。
苦労して取り出した種ですが、その殻はとても堅くて割るのがたいへんです。フライパンで気長に炒って、できた隙間に包丁やマイナスドライバを差し込んでちょっとこねると開くことができます。開いても中身がぽろっと出る訳ではないので、爪楊枝や竹串で気長に取り出します。ちょっと大変ですが、試してみてはいかがでしょう。
クルミの食べる部分(胚)は脂肪分などの栄養が豊富なので、ネズミなどの大好物です。アカネズミをはじめとするげっ歯類は、落ちた種にきれいに穴をあけて中身を食べてしまいます。
このネズミがあけた穴を見てみると、種の殻には胚が入っていた部分の他に空洞があることが分かります。このような構造だと丈夫で軽くなり、水に流されやすく、新しい水辺へ到着できるのかもしれません。
0 コメント:
コメントを投稿