(イグサ科 JUNCACEAE)
湿地に生えるイグサ |
湿地や湖沼、休耕田などの水が浅く張るようなところの生えている。湿地の植物を観察するようになると必ず気づく、極普通に出会える植物。葉は筒状になっていて茎の根元を包むだけになっていて、上に高く伸びているのはほとんど茎、という植物。長く細く伸びる茎が広く利用されている。
イグサは別名とうしんそう(燈芯草)という。この茎の芯を灯明の芯に使ったためらしいのだが、さすがに実際に使っている様子を見たことはない。灯明っていつぐらいまで使われてたんだろう?
イグサは漢字で書くと「藺草」。日本人であればおなじみの畳表に使われる「藺」と同じ種の植物である。ただし、栽培されて畳表などに利用されるものはコヒゲJ. decipiens (Buchenau) Nakai 'Utilis'と呼ばれるもので、花が小さく、あまり咲かないそうだ。写真のように花が咲くと、その部分に節ができて折れやすくなって畳表への加工に不向きであるため、花が咲きにくいように品種改良されたのだろう。
熊本県は畳表生産日本一で、国内生産の95%を占めるそうだ。宇城、八代、球磨地方などで生産が盛ん。熊本市から南に下り竜北町辺りになってくるとイグサ畑(田?)が目立つようになってくる。
(参考ページ)
畳がいちばんキャンペーン
http://www.yatsushiro.org/tatami/campaign/<br /> 熊本県い業生産販売振興協会
http://www.kumamoto-tatami.com/
畳といえば、その肌触りと香りが特徴。新しい畳の香りはうれしい。しかし、野に生えているイグサをちぎって臭いをかいでも、畳の香りはしない。草の臭いがするだけ。畳表の香りは、イグサを収穫したあとに行われる「泥染め」という行程で生まれるそうだ。
(参考ページ)さて、このイグサ、実は史前帰化植物の一つと考えられている。史前帰化植物とは、字のごとく、「史前」つまり歴史が記される以前に、本来の分布域からヒトの力で移されて定着した植物のこと。大陸や半島からのヒトの移動および稲作や畑作の伝来にともなって日本に入ってきたと考えられている植物たちである。
畳表の泥染め
http://www.tatami-kumaki.com/sendo.htm
イグサはたまたまついてきたのか、ゴザなんかに利用するために持ち込まれたものが逃げ出して野生化したのか・・・?
野生のイグサをつかって、観察会のときの簡単な工作とかできないかなぁコースターとか。
0 コメント:
コメントを投稿