(ガマ科 TYPHACEAE)
用水路に生えるガマ |
夏になると水辺に1m以上もなる背の高い植物が生える。その茎の先には大きなソーセージのようなものがつく。これがガマ。このソーセージは雌花の集まり。見た目には大きな花びらもないので、咲いているのかどうかもよくわからない。これは、花粉を風に運んでもらう風媒花なので、虫に花粉を運んでもらう花の様に、虫を引きつける華麗な花びらは不必要で発達していない。
古事記だったか、因幡の白ウサギが、ワニ(サメ)をだましたために毛皮をはがされ泣いていたところ、大国主の上がガマの綿毛をつけるようアドバイスした、と言う話がある。
これに出てくるガマはこのガマ(ただし、ガマの仲間はいくつかあるので、この種かどうかは不明)。このソーセージの部分は、綿毛を持ったタネが綺麗に折り畳まれてぎっしり並んでできている。これをほどくとタネの綿毛が広がり、フワフワになる。この綿毛が風を受けて飛び、新たな生育地へタネが運ばれる。受粉においても、種子の散布においても風に頼る優雅な植物だな。
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