2012年11月17日土曜日

ホソバヒメミソハギ

ホソバヒメミソハギ
Ammannia coccinea Rottb.
(ミソハギ科 LYTHRACEAE)
水田に入り込むホソバヒメミソハギ
水田が赤く染まっていた。赤米を植え付けたにしては不規則に植わっているなと思ったので近づいてみると、稲の間から赤く紅葉した草がたくさん生えていた。赤い草は水田に入り込んだ雑草だった。

全体真っ赤になったホソバヒメミソハギ。
ホソバヒメミソハギ。熱帯アメリカが原産で、今や世界中に帰化しているらしい。かなり鮮やかな赤色に紅葉している。もう花は終わって結実しているようだ。結実期になると赤く染まるのだろうか。

ほかの田んぼでは、まだ花がさいているものを見つけた。
開花しているホソバヒメミソハギ。
こちらはまだ緑色。葉は根元が横に広がった細い矛のような形で、二枚の葉が茎をはさんで向かい合うようについている。葉の出る方向が、上下の葉で90度ずつずれてるので、はが互い違いに出ているように見える。この規則性はなかなか美しい。花はやや薄い紫色の花びらを4枚つけてかわいらしい。

2012年11月13日火曜日

ツリフネソウ

ツリフネソウ
Impatiens textorii Miq.
(ツリフネソウ科 BALSAMINACEAE)

道端に咲くツリフネソウ
車を運転している時に目の端に赤紫の花を捉えた。車を止めて近づくとツリフネソウだった。うーん、うれしいねぇ。なんとなく。

正面から見たツリフネソウの花。意外に間抜け。
ツリフネソウの名は、船のような形の花をつり下げたように咲かせるからか。正面から見ると意外に間抜け顔・・・ちょっとかわいそうか。

小学校なんかで植えるホウセンカやホームセンターの園芸コーナーなんかで見かけるインパチェンスは、このツリフネソウの仲間。

ツリフネソウについて調べてたら、分かりやすいページを発見。
なかなかの植物ルーム ツリフネソウの花のつくり
このページによると、ツリフネソウの花には、主に花粉をつばす雄性期と、くわえてめしべが受粉できるようになる両性期があるそうだ。この写真は緑色のめしべが見えてきているので両性期に入っているかな?

ページの主、なかなかさんはこういった花の構造や仕組みを、キチっ、キチっと確認されるのですごいなぁといつも関心。私は相当、必要に迫られないとしないので、見習わなければな、といつも思う。思うだけじゃダメだけど・・・

2012年11月12日月曜日

マメアサガオ

マメアサガオ
Ipomoea lacunosa L.
(ヒルガオ科 CONVOLVULACEAE)
マメアサガオの花
少し前のことだけど、田の畦に小さなアサガオの花がさいていた。直径2cmくらいの白いアサガオ。

マメアサガオ。北アメリカからやってきた外来生物。まっ白のアサガオは目立ってきれい。

2012年11月10日土曜日

ハキダメギク

ハキダメギク
Galinsoga quadriradiata Ruiz et Pav.
<キク科 ASTERACEAE>
踏みしだかれ成長の悪いハキダメギク

足下をふと見ると生長の悪い草が一本。あー踏んじゃった・・・キクの仲間、ハキダメギク。牧野富太郎が掃き溜め(ごみ捨て場、ゴミを掃いて集めておく所)で見つけたことによるらしいけど・・・


ハキダメギクの花のアップ。
白く飛んじゃいました。
キクの仲間なので小さな花が集まってこの花(花序)ができている。キクの仲間の花の花びらは、アサガオの花びらのように根元がひとつに繋がっている合弁花(ごうべんか)といわれる形になっている。

まん中の黄色い部分は、筒状花(つつじょうか)とよばれる花が集まっている。筒状花の花びらはふちがあまり広がらず、筒(つつ)型なのでこう呼ばれる。

ふちに五つある白い花の花びらは、ふちの一カ所だけが舌(した:べろ)のようにのびていてこんなに目立っている。舌状花(ぜつじょうか)とよばれる。

先日この場所に行ったら、よく育ったハキダメギクがわんさか,繁っていた。元気だ。

2012年11月9日金曜日

ブラジルチドメグサ

ブラジルチドメグサ
Hydrocotyle ranunculoides L.f.
(セリ科 APIACEAE)

ブラジルチドメグサがおおう水路
もう稲刈りも終盤かという頃、水路がえらく青々している・・・なにかなぁ〜と思って近づくと、ブラジルチドメグサ。

ちょっと荒いけど、拡大。
直径3〜4cmと結構大きいけど、チドメグサの葉っぱだ.
まるで水面をはうように茎をのばし、節から葉や根を出す。最初にちょっとした足がかりがあればそこから茎をのばして成長し、上の写真のようなマット状の群落を作る。

原産地は南アメリカ、つまり日本においては外来生物。どのようにしてか日本に入り込み生きている。その繁殖力のすごさから特定外来生物に指定されている。

なんと日本で最初に発見されたのは熊本県の菊池川。阿蘇の白川付近の池にもあるらしい。近年、熊本市内の江津湖にもはいり、えらい勢いで増えている。で、この場所は上記のどこでもない、坪井川水系。

最初は菊池川と白川、江津湖は緑川水系、で今回の坪井川水系・・・がんがん広がっとるなぁ・・・

2012年11月6日火曜日

クロシタナシウミウシとその卵嚢

クロシタナシウミウシ
Dendrodoris fumata (Ruppell & Leuckart, 1831)
(クロシタナシウミウシ科 DENDRODORIDIDAE )

クロシナタナシウミウシ(画面下の黒い物体3つ)と
卵嚢(黄色いバラの花状のもの)

またまた季節外れなんだけど、この夏見たクロシナタナシウミウシ(おそらく)。磯の転石をめくったらいた。

成体のほうは黒い色にオレンジ色の縁取り、水につけておくとウミウシ(海牛)の名の通り牛の角のような触覚と、背中にゆらゆらとしたえらを出す。

画面まん中の黄色いものは卵の固まり。バラの花のような感じで渦巻き状に石に引っ付けていた。3体の成体は卵嚢を守っているのか、産んでる途中だったのか・・・

クロシタナシウミウシのシタナシってなんだろう?と調べたら、「舌無し」ということらしい。巻貝などは歯舌というヤスリのような舌をもっている。この舌で海藻などの食べ物を削り取ってたべている。ウミウシはこう見えても貝の仲間で、多くの種はこの歯舌をもっているらしい。しかし、このクロシタナシウミウシは歯舌を持っていない。そのことから来た名前のようだ。

歯舌といえば、大学生のころ、この歯舌を取り出して観察する実習があった。同級生の女の子が「アサリの歯舌はどんなのかなぁ?」という声を聞いて、私は「アサリは濾過食だから歯舌なんてないよ」とばっさり言い放ち、まわりの人をドン引きさせた嫌な思い出がある。

理学部の学生だったんだから、せめて「ないと思うけど確認しなきゃね、解剖だー!!」くらい言えよ●十年前のおれ・・・

2012年9月24日月曜日

ハマボウ

ハマボウ
Hibiscus hamabo Siebold et Zucc.
(MALVACEAE アオイ科)

青空をバックに、ハマボウの花

デスクトップを整理していたらブログに上げようとして忘れてた画像が・・・夏の写真だ。昨日は水俣で海辺の植物の観察会の仕事だったのだが、そこにも大きなハマボウの木があった。しかし、花は完全に終わっていた。足早に去っていく夏を惜しみつつのアップ。ということでご勘弁。

学名に“Hibiscus”とあるように、南国の花で有名なハイビスカスの仲間。レモン色のハイビスカスは、熊本の蒸し暑い夏をカラっとさわやかにしてくれそう。また、来夏見れることを楽しみに。

2012年8月18日土曜日

カラスの羽

カラス Corvus sp.
(カラス科 CORVIDAE)

カラスの初列風切り?
最近、何となく羽を見かけたら拾ってしまう。この羽は天草で拾った。カラスの初列風切りかなぁ。

カラスには、ハシブトガラス、ハシボソガラス、ミヤマガラス、コクマルガラスなんているみたいだけど、ミヤマとコクマルは冬鳥なので今の時期はいない。だから、この羽の主は、ブトかボソだろうけど、どっちだろ?

2012年8月16日木曜日

チビイトマキヒトデ

チビイトマキヒトデ
Asterina minor Hayashi
イトマキヒトデ科

磯の転石の裏側にはり付くチビイトマキヒトデ。1.5cmくらい。
子どもと磯遊びして見つけた。ちっちゃなちっちゃなヒトデです。星形というより五角形のかわいい形をしている。

実は希少な種で熊本県のレッドデータに選定されている。
くまもとの希少な野生動植物「チビイトマキヒトデ」

もし見つけても、そっともとに戻してあげてね。

もちろん、写真を撮った後、もとに戻してあげましたよ。

カロライナツユクサ

カロライナツユクサ
Commelina caroliniana Walter
(ツユクサ科 COMMELINACEAE)

最近、外国産のツユクサが日本に広まっていることが発表されました。
田や畑の畦、または耕作されていない田畑で、ベタっと這う様に広がるツユクサを見たことないですか?


植え付けされていない水田一杯に広がるカロライナツユクサ。

葉を見ただけでは、え?これ普通のツユクサでしょ?と思ってしまいます。でも花を見てみると・・・


カロライナツユクサの花
普通のツユクサの花と比べると、小さい、色が薄い。なんだかマルバツユクサの花みたい。

カロライナツユクサについては、発表者の方が詳しい解説をホームページに上げてらっしゃいますので、ぜひご覧ください。
なかなかの植物ルーム「カロライナツユクサ」

このカロライナツユクサ、冒頭では「最近発表された」といいましたが、実は結構前から日本に入ってきていたにもかかわらず、在来種のシマツユクサと混同されていて気づかれていなかっただけのようです。

身の回りのツユクサをちょっと、確かめてみませんか?


2012年7月4日水曜日

ヤダケ

ヤダケ
Pseudosasa japonica (Siebold et Zucc. ex Steud.) Makino ex Nakai
(イネ科 POACEAE)

ヤダケの花。
まだ梅雨に入る前だったが。道路脇にあまり目立たない花が・・・

背の高いササの節から紫色がかった穂がでて、ところどころに黄色味がかったおしべがのぞいている。

このササはヤダケ。ヤダケは漢字をあてるなら「矢竹」で、むかしから矢に 使われていたそうだ。武士の時代、武士にとって弓矢は大事な商売道具だったので、その材料となるヤダケはあちこちに植えられたそうだ。

「タケとササはどこが違うんだ」と言われることがあるが、生物学的には、大ざっぱに言うと、タケノコの皮がさっさと落ちてしまうのがタケ、皮がひっついたまま成長してしまうのがササ。写真を見ると(分かりにくいが)、皮が残っているのでササの仲間である。

ササと一口にっても、いくつかのグループが含まれている。ササの代表的なグループはササ属Sasaで、庭等に植えられるクマザサはこの仲間。そしてヤダケはヤダケ属に入る。ヤダケ属の学名Pseudosasaは、前半のPseudoは「よく似た、偽(にせ)の、モドキの」といった意味、後半のsasaは前述のササ属Sasaのことを差している。つまりヤダケ属は「偽のササ」といわれている訳だ。ちょっとかわいそうかも。

タケやササは花が咲くと枯れてしまう、といわれているがこのヤダケはどうなんだろ?ヤダケの花は毎年どっかで見てるけど、花がさいたものが枯れたかどうかは確認してないなぁ。

2012年6月29日金曜日

きれいなキノコ

まっ白なキノコを見つけた。


平地の山、常緑樹林の地面に白くて細いキノコがぱらぱらぱら・・・と。


大きさもまちまちだけど、かたちもいろいろ。すぅーっと一本の棒状のものから、先がやや枝分かれしたものまである。


例によって絵合わせだが、たぶん、


カレエダタケ科 CLAVULINACEAE
カレエダタケモドキ Clavulina rugosa (Bull : Fr.) Schroet.


ではなかろうか。


日本全国、普通にあるらしい。図鑑には無毒と書いてあるが、たとえ食べられるとしても、これをちまちま集めるのは大変な気がする。

2012年6月24日日曜日

竹の赤団子病

竹の赤団子病(シライキン)
Siraia bambusicola Henn.


赤団子,撮影下手で白く飛んじゃった(左)
手に取ってみるとなんだか赤い液が出てる(右)
大阪市立自然史博物館友の会のメーリングリストを眺めていたら、「赤団子」なる記事が流れていた。変なもんもあるもんだ、と眺めていたのだが・・・


息子とクサイチゴを摘みにいってて、脇に生えてたマダケをふとみると何かついてる・・・


ホー!!これが赤団子か!


元ネタとしてはここ。かなり精力的に調べておられる。
赤団子を求めて七五〇里
http://kinoko-nikki.hariko-manekiya.com/?eid=993919
赤団子を求めて その2
http://kinoko-nikki.hariko-manekiya.com/?eid=993926
赤団子を求めて その3
http://kinoko-nikki.hariko-manekiya.com/?eid=993941


つまりは、竹類に寄生する菌類のようだ。で、この赤団子、古くから中国では生薬として扱われていて、甘いらしい。上記ブログで書かれているように、出ている蜜がめっちゃ甘いらしい。


・・・でも、舐めれんかった。
すんません。へたれです。口に入れるもんは、本当に怖いと思っちゃって、こんなにたくさん出てるのに試せなかった・・・

オオヒラタシデムシ

オオヒタラシデムシ
Eusilpha japonica (Motshulsky, 1860)
(シデムシ科 SILPHIDAE)
オオヒラタシデムシ。背面(上)と側面(下)。


ボーッと腰掛けていたら、足下に出てきた虫。こいつも、出てきた後、しばらくたたずんでいた。


ちょっと平たい感じのボディーがすこし野暮ったいけど、つや消しブラックの地に縦のラインがはいった羽はなかなか格好いい。平地でよく見られるシデムシの仲間で、身近な環境で見られるのは、このオオヒラタシデムシが多いのだそうだ。


オオヒラタシデムシ。大きい、平たい、シデムシ、かな?
では「シデムシ」は何?「シデムシ」は「死出虫」、「体があるとてくる」だそうな。シデムシの仲間は、その名の通り、動物の死体を主な餌としている種類がおおい。オオヒラタシデムシも、死体を主な餌にしている。特にミミズの死体なんかを好むそうだ。


植物の枯れ葉や枯れ枝なんかをミミズが食べて細かくして糞として出す。ミミズや他の動物の死体をオオヒラタシデムシが食べて細かくして糞として出す。これらの糞は土の中の微生物等によってさらに細かく分解され、栄養を含んだ土に戻って行く。土の栄養は植物が吸収し、茎や葉や花や実などをつくる。これらはまた、いろんな動物に利用される。


高校くらいで習ったようなことだけど、ぐるぐる巡ってるな。

ヤマモモ

ヤマモモ
Morella rubra Lour.
(MYRICACEAE ヤマモモ科)


ヤマモモの花。雄花かな?


遠くに赤色が目立つ木があった。コンデジで出来るだけ拡大して撮ってみたけど、よくわかんないなぁ。たぶんヤマモモの雄花だと思うけど。


ブログにのせようと思って画像までは用意していたんだけど、ずいぶん日が経ってもう実がなっている季節。ちょっと確認しにいこうかな?

2012年5月11日金曜日

今年も見つけた、ギンリョウソウ

綺麗だな


2012年4月25日水曜日

ウミシダの仲間

ウミシダの仲間
Comatuida sp.
(ウミシダ目 COMATUIDA)


 潮の引いた海辺を歩いていたらいましたよ。なんだかもじゃもじゃ。
水面が反射してて分かりにくいけど、濃い紫のやつと、黄色っぽいまだらもようのやつ。
うーん。この手の外観はちょっと苦手。少し鳥肌が立った・・・
岩陰にもじゃもじゃ。
これは植物なのか、動物なのか。実はウミシダという動物です。もっと大きいグループで言うと棘皮動物(きょくひどうぶつ)の中のウミシダ目というグループにはいる生き物。

棘皮動物って???、平たく言うとウニ、ナマコ、ヒトデ、クモヒトデなど。ウニは食べられるので知っている人も多いかな?ナマコも食べられるけど、嫌いな人も多いかな。


足がたくさん。赤の三角():羽枝(うし)、青の三角():巻枝。
さて、一匹広い所に出てきてもらいました。わー腕がたくさん。

青い三角()は巻枝という腕。じつは「巻枝」の読みがわからない。まきえだ?けんし?まきし?とにかく、短いけれど、字のごとく内側に巻くようにまがり、岩に捕まる役割をもつ。

赤い三角()は羽枝(うし)とよばれる腕。腕の両側に細かい枝がたくさん出てて鳥の羽根みたいでしょ。この羽枝がたくさん広がる様子が、見方によっては陸上の植物のシダにも見えるから、ウミシダという名前なのだろう。


巻枝で岩につかまり、羽枝を水中に広げ海中にただようちいさな有機物を集めてたべている。


ウミシダで調べていたら、分かりやすいページがあった。
トピックス■ニッポンウミシダの発生と長期飼育
http://www.zoology.or.jp/news/index.asp?patten_cd=12&page_no=191
やっぱり調べてる人いるんだなぁ
ここに書いてあることから、いくつか「へぇ」とおもったことを。


ウニの生殖巣といわれても分からない人も多いかもしれないけど、ウニの食べる部分といわれると分かるかもしれない。ウニの生殖巣はウニの本体、丸い所につまっている。ではウミシダの生殖巣はどこに?それは羽枝全体に広がっているそうだ。そんな外側に広がった部分に大切な生殖巣をつけて、食べられたりしないのかな?


次は羽枝の数。上記のページはニッポンウミシダについてのものだが、ニッポンウミシダの子どもは羽枝を10本しか持たないが、大人になる40本にもなるそうだ。どうやって増やしているのか。それは分枝再生という方法がとられているそうだ。普通、ヒトデなんかは足が1本切れると1本再生する。つまり、元に戻る。しかし、ニッポンウミシダは羽枝が1本切れると2本再生する。つまり、倍になる。これを繰り返して40本もの羽枝を持つようになるそうだ。それも、たまたま切れたではなく、順番に自分で切って2本再生するようだ。


ウミシダ恐るべし!研究者もスゴい!

ヒトクチタケ

ヒトクチタケ
Cryptoporus volvatus (Peck) Shear.
(多孔菌科 Polyporaceae)


立ち枯れたマツの幹に栗のようなものが・・・
枯れたマツの幹にポツポツとはえる。

枯れて一年程度のマツに生えるキノコ、ヒトクチタケ。
近くに寄ってみると・・・

ヒトクチタケを横から見た。表面はつやつや、ちょっとひび割れ。
 本当に一口で食べれそうな、栗のようなキノコ。表面はつやつやしてて、かたい。
キノコの仲間というけれど、まん丸していてシイタケのような、胞子を作る、傘の裏の部分がない・・・

ヒトクチタケを縦にきったところ。

胞子を作る部分はキノコの内側にある。シイタケの傘の端っこがグ〜っとのびてキノコをまんまるにつつんでしまったような感じだ。

この胞子を作る部分は、シイタケのようなヒダヒダではなく、ごく細い管がぎっしり並んだ、というか、細かな穴がビッシリあいたような形をしている。だから「多孔菌科」なのか。


ヒトクチタケの裏側。根元に穴があいている。あと、ちょろっとしっぽが・・・
こんなに包んでしまって、どこから胞子を出すのよ、というと、裏にひとつだけ穴がある。ここからハラハラと胞子が飛び出すのか・・・なあ?

でも、すっごく臭くて(本には魚の干物のような、とある)、それで虫を集めるらしい。裏側の穴は、胞子を運ぶ虫の出入り口かな?


おお?このヒトクチタケ、しっぽがある!!!このしっぽはなんだ!

枯れ木なんかに生えるキノコって、枯れ木の中に菌糸がいっぱい増えてから、枯れ木の表面に近い所で「もこっ」とキノコが出てくるようなイメージがある。でも、このヒトクチタケは、枯れたマツの中で菌糸が充分に増えたあと、マツの枯れ木のなかの穴を通って表面に伸びてそこからキノコを出すそうだ。

マツの中の穴とは何か?

それは、マツの害虫があけた穴。つまり、マツの害虫がマツの木の中に入り込み、ガリガリと掘り進んだ穴。ヒトクチタケは、マツの害虫が掘り進んで外に出た時に残った穴をとおってキノコを出している。

ただ、マツの害虫とヒトクチタケがどのような関係にあるのか、まだ良く分かっていないらしい。


さて、ヒトクチタケって名前は、一口で食べれそうだから? それとも裏に穴(口)がひとつだけあるから? どっちだろう・・・



2012年4月24日火曜日

ケムシヒザラガイ

ケムシヒザラガイ
Cryptoplax japonica (Pilsbry, 1901)
(ケムシヒザラガイ科 CRYPTOPLACIDAE)


ケムシヒザラガイは、ヒザラガイっぽくないなぁ


これまで紹介したヒザラガイの仲間(多板類)は、ヒザラガイケハダヒザラガイで、その度に貝殻が小さくなってきた。で、今回のケムシヒザラガイ、貝殻がもっと小さくなって、とうとう前後の貝殻が重ならなくなった。幅も小さくなったので、体はほとんど貝殻におおわれていない。それでも前の(写真では下の方)4つ位は近いが5つ目6つ目あたりは離れまくっている。


海の水が引いた時に陸地になる部分(潮間帯、ちょうかんたい)の石の下にいる。石の下にいるので、貝殻でがっちり体をまもる必要はないのかも知れない。それとも、実は素早く動けるとか、とにかくまずいとか、体をまもる別の方法を持っているのかも。写真撮るだけでなく、突っついてみれば良かったな・・・

2012年4月23日月曜日

アミガサダケの仲間

アミガサダケの仲間
Morchella sp.
(アミガサダケ科 MORCHELLACEAE)


近所の土手で見つけた春のキノコ。アミガサダケの仲間。食べられるらしいけど、キノコの仲間だけは怖くてなかなか食べる気にはなれないなぁ。


腐植質(落ち葉などが腐ったもの)が多い土が好きなきのこのなかまだそうな。


二つとも同じ場所でとれたけど、なんだか様子が違うな。アミガサダケの仲間は頭の形と網目の様子で分けるらしいが・・・
アミガサダケの仲間。頭が丸い。頭の網目が不規則。
これは頭は丸く、網目が不規則。なんだか不規則すぎて巧く成長できなかっただけでは?ともおもう。ちょっと古いかな。

アミガサダケの仲間、その2。頭は細長い。
こちらは出てからあまり経ってない感じ。頭は細長いが、帽子状ではない。


なんだろなー。

2012年4月22日日曜日

ツチグリ

ツチグリ
Astraeus hygrometricus Morgan
(ツチグリ科 ASTRAEACEAE)


ツチグリ。ちょっと古いのかな?
美里町の3333段の石段を上っていたら、石段の脇に変な物が。いってみればタコ?まんまる頭に、タコの足のように先が分かれたマントのようなものがついている。


これはキノコの仲間で、ツチグリという。


まんまる頭には胞子がつまっていて、てっぺんに開いたひとつの穴から胞子を飛ばす。


マントは「殻皮(かくひ)」とよばれる。三層になっていて、一番外側は皮のように固い。まん中は膠(にかわ)質で水があると膨らみ、乾くとちぢむ。空気の湿り具合や雨などで、マントはまんまる頭をおおった状態から、写真のように広がるのだろう。一番内側は白というか銀色で、亀の甲ら模様のようなキレツが入る。そして、時間が経つとはがれてくる。写真のマントはほとんど黒いので、古くなってほとんどはがれてしまったのだろうな。


さて、このキノコの発生時期は、図鑑等では「7〜10月」、「夏から秋」などと書かれているけれど、これ3月の写真です。早起きさんなのかな?

2012年4月21日土曜日

フクロフノリ

フクロフノリ
Gloiopeltis furcata
(フノリ科 ENDOCLADIACEAE)


岩につくフクロフノリ。
岩場の海岸にふつうにある海藻の仲間。日本各地に分布しているそうだ。細い体は先が二つ、二つと分かれていく。この海藻をちぎってみると、中は「から」、細い袋(ふくろ)のような感じ。だからフクロフノリ、というのかしらん。


食用にできるらしいので、ちょっとつまんで食べてみたコリッコリッ、という感じ。だけど、取り立てて味はないかなぁ。


図鑑を見ると、「標本にすると、紙にあまり付着しない」とある。海藻の標本は、水に漂わせた海藻を厚紙ですくうというか漉きとるようにして広げてつくる。この時、海藻の成分が糊のような役目をして厚紙に貼付くことがおおい。その貼付き具合も、種類を見分けるヒントにするというのは面白い。

ヒョウモンダコ

ヒョウモンダコ
Hapalochlaena fasciata
(マダコ科 Octopodidae)


岩かげに隠れようとするヒョウモンダコ




先日、海に行ったら小さなかわいいタコがいた。
手のひらに乗るほど小さく、青い模様が鮮やか。ちょっと脅したりすると青い色が、ザワザワと変化する。思わず手に取りたくなる。

だがしかし、これはたぶん警戒色。「俺に触るな!」といっている。だって毒を持ってるのだから。

その毒はテトロドトキシン。ふぐの毒と同じ。ヒョウモンダコにかまれると、このテトロドトキシンを注入され、最悪、死に至る。だから絶対に触ってはいけない。

ただ、このヒョウモンダコは熱帯から亜熱帯という暖かい南の方の生き物。それが2009年あたりから九州の北部でも見つかるようになった。九州の人には見慣れない、そして小さくきれいなタコなので、つい手を伸ばしてしまうかもしれない。よく覚えて触らないように。

今回だけは注意を促す意味で場所を公開。熊本県上天草市大矢野町の野釜島の海岸。2012年4月8日。野釜島はキャンプ場もあるので、遊ぶ人はお気をつけて。


時をほぼ同じくして、ヒョウモンダコのニュースが入ってきた。
同じ上天草市の有明町で捕れたみたいです。
熊本日日新聞「猛毒ヒョウモンダコ、触るな! 県が注意喚起2012年04月11日
http://kumanichi.com/news/local/main/20120411006.shtml

2012年3月31日土曜日

ケハダヒザラガイ

ケハダヒザラガイ
Acanthochitona defilippii (Tapparone-Canefri, 1874)
(ケハダヒザラガイ科 ACANTHOCHITONIDAE )


石にはりつくケハダヒザラガイ。貝殻が小さい。


磯の石をはぐって(方言か?めくって、裏返して)いたら、以前紹介したヒザラガイとは様子のちがう多板類がいた。


貝殻はヒザラガイと同じように何枚も連なっているけど、一枚一枚が小さく、丸っこい。ちょっとバランスの崩れた六角形に見える。貝殻に対してまわりのはみ出た肉の割合がおおい。


はみ出た肉のところはなんだか毛っぽくって、だからケハダ(毛肌)ヒザラガイなのだろう。ヒザラガイを見た場所と同じ磯で観察できたが、ヒザラガイに比べるとちょっと少ない印象を受けた。

2012年3月30日金曜日

スガイとカイゴロモ

スガイ
Turbo (Lunella) coreensis (Récluz, 1853)
(サザエ科 TURBINIDAE)


カイゴロモ
Cladophora conchopheria Sakai
(シオグサ科 CLADOPHORACEAE)


みどりの丸いものが、カイゴロモ(藻類)におおわれたスガイ。


 写真には、緑の藻(も)におおわれた丸い貝が8つ写っています。分かるかな?この貝はサザエ科のスガイという、直径2cmくらいの小さな巻貝。岩場の海岸に行くと必ずと言っていいほど見る事ができる。


 熊本では「びな」と呼んでいて、子どもの頃は持って帰って、親に湯がいてもらって食べていた。でも、小さな貝なので、ご飯のおかずというよりは子どものおやつか酒の肴といったところ。


 さて、この貝の表面をおおっている緑の藻は、カイゴロモという海藻。名前の通り、「貝の衣(ころも)」のように貝殻をおおってしまう。しかも、このカイゴロモは、スガイの貝殻にしか生えないという変わり者。磯には同じような巻貝が何種類もいるのに、スガイにしか生えない。こういうのを難しくは「基質特異性」というが、まあいいか。貝殻の表面に「これはスガイだ」と分かる何かがあるのだろうか。


 カイゴロモは、スガイの貝殻にへばりついているのではなく、根(正しくは仮根)を殻に食い込ませている。だからぺりぺりとはげるものでもなく、削り取るのもむずかしい。そこまでして互いに(いや一方的に?)ぴったりひっつくのはなぜだろう?


 スガイは、カイゴロモが生える事で外敵から見つかりにくくなるのかもしれない?カイゴロモは、スガイが動き回ることで他の海藻と競争することなく、いつも日の当たる所にいることができるのかもしれない?何かしら、自然の中を生き残るのに有利なことがあるのだろう。

2012年3月29日木曜日

カゴメノリ

カゴメノリ
Hydroclathrus clathratus (C.Agardh) Howe
(カヤモノリ科 Scytosiphonaceae)

海岸にころがるカゴメノリ

海岸にアミアミしたモノが・・・人工物かとおもいきや、手に取ると・・・生き物だねぇ。海藻の仲間でいっぱい穴が開いているので、籠(カゴ)のようになっている。だから「籠目(かごめ)ノリ」

この場所では直径20cmくらいのものもあったけど、これは小さいやつ。

で、せっかくなので標本にしてみた。広げようとするとけっこうピリピリとやぶける。
カゴメノリの標本。いろんなサイズの穴がある。
籠目というと、規則正しく穴が並んだイメージだけど、これは大小さまざまな穴が開いてる。大きい穴はふちがめくれて太い縁取りのようになっている。

取り立てて食用にはされないようだ。

潮間帯下部に生育するらしいので、干潮時をねらって潮が引いている間際のあたりを探すと見つかるのだろう。

だんだんあたたかくなって、海藻の時期も終わりになるな。今のうちに海に行くか。

2012年3月28日水曜日

ヒザラガイ

ヒザラガイ
Acanthopleura japonica
(クサズリガイ科 CHITONIDAE)


ヒザラガイ。キャタピラー見たいなのが“貝殻”


海で石をひっくり返すとよくみる生き物。ヒザラガイ。貝のなかま。


貝といわれれば、アサリみたいな二枚の貝殻を持つ二枚貝や、サザエのようなグルグルッとした巻貝を思い浮かべるのがふつう。このヒザラガイは二枚貝や巻貝とは少し違った「多板綱」と呼ばれるグループで、8枚の貝殻が前後に少しずつ重なって瓦のようについています。ブルドーザのキャタピラーや回転寿しのコンベアーのようにみえる。


地方によっては食べるところもあるようで、テレビ番組「秘密のケンミンshow」でも鹿児島県の「クンマー」として紹介されていた。一度試してみようとは思いつつ、なかなか試せてないなー


ヒザラガイで調べてみたら、ちょっと面白いなと思ったニュースがナショナルジオグラフィックに出てた。


ヒザラガイの目は鉱物アラゴナイト - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?


アラゴナイトという鉱物を取り込んで目を作っているらしいのだが、アラゴナイトって?
Wikipediaによるとアラレ石らしい。化学的には炭酸カルシウムでできている。これが、どんな感じで目に使われているのだろう?

2012年3月27日火曜日

エリマキツチグリ かなぁ?

エリマキツチグリ
Geastrum triplex (Jungh.) Fisch.
(ヒメツチグリ科 Geastraceae)
かな?
エリマキツチグリかなぁ。
はっきりいって絵合わせなので「かなぁ」のレベルなんだけど。


もう胞子も飛ばし終わってるのかずいぶん痛んでたけど、なんだか、すごくゴムゴムしてる。


生えていた場所はスギの植林にモウソウチクが入り込んだような場所で、落葉樹とかはあんまりなかったような。カゴノキとかクスノキは周囲にあったけど、ポツポツとある程度。


図鑑には「林内の落葉の多い場所に群生」とあるとおり、地面のくぼみの落ち葉がたまったところに、ザラ、ザラ、と「落ちてた」という感じ。「生えてる」感じがあまりなかったのは、少し古いためかな。


一番印象的だったのは、なんだが「ゴムゴム」してたこと。




2012.03.30追記
facebook上で、菌類専門の方から「エリマキツチグリでいいと思う」とのコメントを頂きました。ありがとうございます。

2012年3月26日月曜日

ヒメアザミ

ヒメアザミ
Cirsium buergeri Miq.
(キク科 ASTERACEAE)


ヒメアザミ


アザミの仲間は、調べるの面倒くさそうだなー、とおもって敬遠していたのだが、つい調べてしまった。細く華奢な茎に、壷のような総苞、そこから大きく開く花、すぅーとのびる花柱。なかなかに魅力的。


今シーズンは、アザミの仲間にも取り組める予感・・・

2012年3月25日日曜日

ツクシヤブソテツ

ツクシヤブソテツ
Cyrtomium macrophyllum (Makino) Tagawa var. tukusicola (Tagawa) Tagawa
(オシダ科 DRYOPTERIDACEAE)


ツクシヤブソテツ。写真がちょっとくらいなぁ。
あんまり見かけないヤブソテツだな〜と思いながらしらべてみた。
  • 羽片(小さな葉のような部分)が幅広い
  • 羽片が10対程度と少ない
  • 羽片の根元がくさび形
なので、ツクシヤブソテツだろうな、と。

この仲間は、標本にしやすくってついつい採集してしまって、同じ種類ばかり集まってしまう(とはいえ、いろんな場所、いろんな時なので無意味ではないのだが)。

新しく種類が追加できたのでうれしい。かなり昔に採集記録があったので新産地ではないが、現代の記録ということでちゃんとした施設(といっても職場だけど)に寄贈しよう。

2012年3月24日土曜日

エビネ

エビネ
Calanthe discolor Lindl.
(ラン科 ORCHIDACEAE)


たぶんエビネ。
たぶんふつーのエビネ。思いかけず出会ったので、ちょっと驚いた。


この仲間も山野草ブームだか園芸ブームだかでずいぶん盗掘され、数を減らしたそうだ。一生懸命増やして野生に戻しているグループもあるそうだ。


とりあえず、春が楽しみ。

2012年3月23日金曜日

ハマナツメ

ハマナツメ
Paliurus ramosissimus (Lour.) Poir.
(クロウメモドキ科 RHAMNACEAE)
ハマナツメの葉。たまご型〜ハート形、三つの脈、葉の付け根のトゲ、が特徴。


暖かい地方の海岸に生える植物で、本州、四国、九州、沖縄等に分布する。ドライフルーツのナツメ(干し棗)と同じクロウメモドキ科だけど、食べられるような実はならない。


この植物は意外と少なく、熊本県では絶滅危惧II類に指定されている。
<参考>
改訂・熊本県の保護上重要な野生動植物-レッドデータブックくまもと2009-
http://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/44/rdb2009.html
上のページはpdfが掲載されているだけで、検索がほぼ不可能なので、以下もどうぞ。
植物(維管束)その7 [PDFファイル/501KB] 
http://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/26053.pdf


というのも、この植物は、生える場所は海岸、種も海の水に運ばれる。なので、護岸や堤防どんどんつくられ、自然の海岸がつぎつぎに失われている現在は、生えるところ減り、種が行き着く新天地もなかなか見つからない状態なのである。


海岸の自然も大切にしたいですね。

2012年3月22日木曜日

ニホンザル

ニホンザル
Macaca fuscata (Blyth, 1875)
(オナガザル科 CERCOPITHECIDAE)


ニホンザル。車が結構通る道路沿いでもへっちゃら。
正直、哺乳類は詳しくない。野生のニホンザルも初めてまともに見た。群れでキーキー言いながら行動しているのって、正直怖い、と思った。この前イノシシに遭遇した時もびびった。たぶん、意思疎通できそうでできなさそうな相手が怖いんだな(人間と同じで)。う〜ん、哺乳類の研究には向かないな、自分。


群れの動きや行動パターンをじっくり観察して、何をしているかをよく考え、理解しようとすると、そうそう怖いことはないんだろうけど、動物相手だと感情が先に立っちゃうんだよね〜。科学を学んだ者にあるまじき!って感じだ。


さて、このニホンザルの群れ(写真に写ったもの以外にもいっぱいいた)、道路沿いのワイヤー製のガードレールの上に座って何やらモグモグ。どうやらカナムグラの雌花穂を食べていた様子。カナムグラってビールを造る時にいれるホップに近い仲間で、その雌花穂もホップみたいなゴワゴワモコモコなんだだけど、栄養あるのかな?おいしいのかな?


ニホンザルで思い出したが、以前住んだことのある和歌山県では、ニホンザルと近縁でもともと日本には生息していないタイワンザルが入り込み、交雑をしているという問題を起こしている(いた?)。


ちょっとググっても新しい情報が上がってこないな。今、どうなっているのかな?



2012年3月21日水曜日

ムクロジ

ムクロジ
Sapindus mukorossi Gaertn.
(SAPINDACEAE ムクロジ科)


ムクロジの葉。木が高くてうまく撮影できない。
以前も書いたけど、ムクロジ。黒い種子を羽根つきの羽根の頭にしたり、果肉を石けん代わりやシャボン玉にしたり、と利用される。けど、あんまり多くはない、と以前は書いた。


確かに多くはないけど、どこそこあるなー。けどやっぱり、神社の近くとか、人里近くとかにあって、人が植えたものとか、そこからたまたま種が転がって、というのが多いのかもしれない。


小さな葉が左右に並ぶ「偶数羽状複葉」という形の葉が好きでねぇ。一度バシッと標本作りたいけど、高くて手が届かない・・・


高くて遠いなぁ。

2012年3月20日火曜日

シャシャンボ

シャシャンボ
Vaccinium bracteatum Thunb.
(ERICACEAE ツツジ科)


秋から冬にかけて、低い山で見ることのできるこの木の実、知ってますか?
シャシャンボの実。この木はかなり身近な木。


ちょっとアップ!
実のアップ画像。とは言っても上の画像を拡大しただけですが。
どうです?なんか見たことあるでしょ?何に似てる?


ブルーベリーそっくりでしょ?それもそのはず、ブルーベリーと同じツツジ科スノキ属のシャシャンボという木で、実の形もそっくりです。ただ、小さい。ブルーベリーは大きいものだと直径1cmくらいあるけど、シャシャンボの実は直径6mmくらいかなぁ。


味は?うーん、さすがに栽培されたブルーベリーほど甘くはないけど、“よく熟したものであれば”甘酸っぱい味で、“私的には”おいしい。お年を召した方とお話しすると、「子どもの頃よく食べた」などとおっしゃいます。でも、今時の子どもは「おいしい」と思うのかな?


このシャシャンボは暖かい地方の林に生える木なので、熊本市に住んでいる人にとってはとても身近な木。熊本市周辺の小高い山に行けば見つけることができるのではないでしょうか。ただし、実が鈴なりとは限りませんが。

2012年3月18日日曜日

ツルナ

ツルナ
Tetragonia tetragonoides (Pall.) Kuntze
(AIZOACEAE ツルナ科)


冬のツルナ。枯れてしまいそうです。
私の好きな植物。ツルナ。海岸に行くと必ず探してしまう。季節は冬。葉も黄色くなってしまってる。多年草なので枯れちゃうことはないのだろうけど。


さて、暑い盛りは黄色の花を探すのだけど、花はない。代わりに・・・
ツルナの実。
実がなっていた。ほーこんな実がなるのね。で、何となく実だけ持って帰っていたんだけど、ほったらかしていた。おかげで黒っぽく枯れちゃった。
ツルナの実。直径1cmくらい。意外と軽い。
これ、意外に軽くて、外側はフワフワしている。水には浮く。それをむしると、中にとっても固い部分がある。爪を立ててもわれないし、トゲのようなところもあって痛いのでナイフで切ってみた。
ツルナの果実の断面図。白い部分が種子。
もっと柔らかいうちに切れば良かったかな?なんだかぼろぼろになった。白い部分が種子。いくつも入っているようだ。軽い果実で波に流され、広がって行くのかな。